フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、これまで16戦にわたって優勝できていないことに苛立ちは感じていないと語り、彼自身とチームは双方とも常にベストを尽くしていると主張している。
ベッテルの最後の優勝は、2018年の第13戦ベルギーGPまで遡ることになる。しかしベッテルのファンは、今年の第7戦カナダGPの優勝者は彼であると異議を唱えるだろう。
先週末の第8戦フランスGPで、フェラーリはマシンに一連のアップデートを施したが、ベッテルは決勝でなんとか5位に入賞することしかできなかった。一方、チームメイトのシャルル・ルクレールは3位に入った。
これについてベッテルは、「(優勝できていないことに)苛立ちは感じていない」とフランスで語った。
「勝てるべき15戦で勝てなかったというわけではない。そうだったら失望するだろうけどね」
「僕たちはベストを尽くしたし、今年は間違いなく2レースで勝ち目があったと思う。もちろんそのうちの1戦は、シャルルがトラブルに見舞われたレース(第2戦バーレーンGP)で、僕は戦いには加わっていなかった。そしてもう1戦(カナダGP)では、少なくとも1番にフィニッシュラインを通過したから、結果は出せたと思う」
「過去をどう振り返るかにもよると思うけれど、でも概してこれまでのレースにはとても満足している」
「色々な場面でもう少しうまくできただろうと常に考えてしまうものだが、過去15戦で僕たちが優位にあったというような話ではない」
フェラーリのパフォーマンス不振は、フェラーリファンや一般のF1ファンを落胆せさており、メルセデスが圧倒的優位にあることは、長期的に見てもF1にとって健全な状態ではない。
しかしベッテルは、期待外れのパフォーマンス不足によって、彼のモチベーションや戦いの精神が損なわれることはないと語っている。
「重要なことは、ただ前を見据えることよりも、過去のレースを振り返って、改善のために必要なものを理解することだ」
「それが僕の取っているアプローチだ。僕はレースが好きだ。そのことについては何も変わっていない。今日のレースも本当に楽しんだ。周りに争う相手がいなかったが、周回ごとに自分自身をプッシュしていくことができた点はよかった」
「もちろんずっと前にいるドライバーを追いかけて5位になるよりも、優勝をかけて戦う方が良いけれど、これが現在僕たちがいる位置なんだ。重要なのは冷静になり、決してシーズンを通してこの状況に甘んじることのないようにするために集中し続けることだ」
「今より上のポジションにつけたいのはもちろんだ。でも今はそうではない。ライバルよりも優れた仕事をして、できるかぎり早く差を縮めることができるかどうかは、僕たち次第だ」
「とりとめのないことを考えるのに多くの時間を使うことはしない。カギとなるのは、次のレースや、次の数週間、次の数カ月で、より上の順位になるために重要なことに集中することだと思う」