ホンダは2019年第9戦オーストリアGPで、トロロッソのアレクサンダー・アルボンのマシンに、スペック3のパワーユニット(PU/エンジン)を搭載することを明らかにした。
前戦フランスGPで、ホンダはパフォーマンスの向上を図ったスペック3を、レッドブルのマックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリー、トロロッソのダニール・クビアトのマシンに搭載した。これによりクビアトは1シーズン中に使用できる基数制限を超え、グリッド降格ペナルティを受けた。
フランスでアルボンのみにアップグレード版パワーユニットを搭載しなかったのは、トロロッソの2台が同時にペナルティを受けることを避けたかったからであると、ホンダは説明していた。アルボンはICE(エンジン)、エナジーストア、コントロールエレクトロニクス、MGU-Kがすでに制限基数に達しているため、新たなエレメントが投入されれば、グリッドを降格される。
ホンダは、オーストリアのレッドブルリンクは「パワーユニットへの負荷が高いサーキットだが、2チーム揃ってのポイントフィニッシュを目指す」と述べている。2018年のオーストリアGPではフェルスタッペンが優勝を獲得した。
「今シーズン初のバック・トゥ・バックレースとなる第9戦オーストリアGPは、ホンダPUを搭載する両チームにとってのホームグランプリです。両チームそして我々にとっても非常に大切なレースになります」とホンダF1テクニカルディレクターの田辺豊治氏は語った。
「レースが開催されるレッドブルリンクは全長約4.3キロと、1周の距離が短いサーキットです。海抜約700mの緑あふれる丘陵地帯に位置しており、アップダウンに富み、またその海抜ゆえに冷却効率やターボの仕事量への影響などに注意が必要です」
「先週、フランスで投入した新しいスペック3のPUについては大きな問題なく機能しました。今週末からはアルボン選手のマシンにも搭載する予定です。カナダ、フランスに続き、暑い中でのレースになりそうですので、その部分も考慮しながら、フランスGPで得たスペック3のデータを元に準備を進めていきます」