F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある。今回は、第7戦カナダGPでレーススチュワードを務めた元F1ドライバーのエマニュエル・ピロを直撃。
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第7戦カナダGPでセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)にペナティを科し、結果的にフェラーリから今シーズン初優勝を奪ったことで批判が集まったレーススチュワード(競技審査委員)のひとりだったエマニュエル・ピロが、第8戦フランスGPに来ていた。
フランスGPのドライバー出身枠レーススチュワードは、フランス出身の元F1ドライバーで、1987年から1994年までグランプリを戦い、昨年のフランスGPでもレーススチュワードを担当したヤニック・ダルマスが就いた。
なぜ、ピロがフランスGPに来ていたのか。それはカナダGPのペナルティに対して6月18日に、フェラーリが再審請求を行うためにFIAに新たな証拠を提出したため、このフランスGPでフェラーリから新たな証拠に関してのヒアリングを行うためだ。
もちろん、カナダGPの一件に関することなので、担当するのはフランスGPのレーススチュワードではなく、カナダGPのレーススチュワード。ということで、そのひとりであるピロは、このヒアリングとその後、再審を行うかどうかの判断するために、ポール・リカールへやってきた。
ヒアリングは6月21日の午後2時15分から行われ、レーススチュワードは検討の末、提出された情報を調べた結果、重要かつ関連ある新たな証拠ではないと判断し、フェラーリの再審請求を却下した。
セッション後、パドックで取材していたら、ピロがいた。手にはキャスターバックが。
「私はフランスGPのレーススチュワードではないし、フェラーリの再審請求に関する裁定を下したから、もう自宅があるローマに帰るよ。次のオーストリアGPには行くから、またそこでゆっくり話そう。ただ、オーストリアGPはレーススチュワードでなく、プライベートで行く」
「とはいっても、レーススチュワードが嫌になって、もうやめたわけではない。次はベルギーGPでレーススチュワードを担当することになっている」
そう語った後、日本語で「ガンバリマス」と言って、お付きのFIAのスタッフとともに、サーキットを後にした。
カナダGPの裁定に関しては、レーススチュワードの決定に対して厳しい批判が寄せられた。その事実を受け止め、それでもレース界のために難しい仕事を引き受けるピロ。頑張れ!!