F1第8戦フランスGP現地情報ブログその2。フランスならではの焼き立てパンが美味しそうですね! そしてマクラーレンはここから復活していくのでしょうか。今回もムッシュ柴田氏がお届けいたします。
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今回の宿でございます。
山の上にあるポール・リカールは、周辺にほとんど宿泊施設がなく、地中海沿いまで降りてこないといけません。しかもその村々にもホテルと呼べるものはごくわずかで(しかもとっても高い)、なので僕たちはお手ごろ価格の民泊を利用しています。今年のアパートは初日からいきなりwifiが使えなくなるトラブルに遭遇しましたが、それをのぞけば快適です。
今朝もパドックの特設パン屋さんは大賑わいで、カーフュー(夜間の労働)明けのメカニックやエンジニアたちが搾りたてのオレンジジュースや、バターとジャムをたっぷり塗ったパンに群がってました。
その場で作った焼き立てですからね。美味しくないはずがありません。
今週末の一番のビックリは、マクラーレンの大健闘でしょうか。予選一発の速さは開幕当初から披露してましたが、それがなかなかレース結果に結びつかなかった。
しかし前戦カナダ辺りから、レースペースもしっかり安定してきた印象です。そして今回の予選では、堂々の5、6番グリッド獲得。なので久しぶりにマクラーレンのミート・ザ・チーム(マクラーレンの定例記者会見)に出かけてみると、
他の記者も同じことを考えていたようで、立ち見の出る盛況でした。
去年のFIA-F2時代はひ弱な印象が強かったランド・ノリスですが、いやあ1年目からこれほど安定した速さを発揮するとは。正直、まったくノーマークでした。不明を恥じるばかりです。
対照的に重苦しい雰囲気だったのが、ピエール・ガスリーの囲み会見でした。
マクラーレンの2台のみならず、ルノーのダニエル・リカルドにも先行されてしまい、9番グリッドが精いっぱい。「フリー走行3回目の速さが、予選ではまったく消えてしまった」という弁明が、空しく響きます。
決勝レースでは、全20台のうちソフトタイヤでスタートしたのはガスリーとアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィだけでした。当然、本人も苦戦を覚悟していたことでしょうが、苦しい戦いに終始してしまいました……。
そして迎えた決勝当日。この日も暑かったです~。
グリッド上ではレッドブルのテクニカル・ディレクター、ピエール・ワシェが、トロロッソのエンジニアとルノーのマシンを盛んに観察してました。
このトロロッソのエンジニアは見たことない顔なんですが、普段はファクトリーにいる開発エンジニアかな。「へえ、こんなことしてるんだ」という吹き出しを入れたくなるほど、感心した風でしたよ。
ゆったりとスタートを待つアレクサンダー・アルボン。開幕当初は傍目にも緊張しまくってる感じでグリッドにいたのが、今では貫録すら漂ってます。ルーキーながらきっちり結果を出してることが、自信に繋がってるんでしょうね。
今回はスタート直後に順位を落としたことが響いてポイントは獲れませんでしたけど、それぐらいではフランツ・トスト代表の評価も揺るがないでしょう。
レース後は、初めてアンドレアス・ザイドルさんを取材しました。ポルシェLMP1チームから引き抜かれ、マクラーレン復活の使命を担うマネージング・ディレクターです。
物静かな印象ですが、これまでの人たちが口八丁過ぎましたからね(苦笑)。十分に期待できそうな感じです。この人の下で、マクラーレンは着実に速くなって行くんじゃないでしょうか。
ちなみにこの取材は、普段は報道関係者が立ち入れないマクラーレンのモーターホーム2階で行われまして、
ふと気付くと、マクラーレン・ホンダ時代の懐かしのアラン・プロストのヘルメットが飾ってありました。じゃあ反対側には当然アイルトン・セナのヘルメットが……と後ろに回ってみると、何もなし。フランスGPだけの、限定展示だったみたいです。