カタルーニャGPでは、Moto3クラスでマルコス・ラミレス、Moto2クラスでアレックス・マルケス、MotoGPクラスでマルク・マルケスと、全クラスでスペイン人ライダーが優勝し、3クラスの表彰台のセンターポールにスペイン国旗がひるがえった。
スペイン人ライダーの場合、ヘレス、カタルーニャ、アラゴン、バレンシアと19戦中4回ホームレースがあるので、ホームレースでの勝利の確率は他国のライダーに比べて高いと言えるだろう。
スペイン人ライダーの層が厚いという背景もあるものの、それでも、3クラスすべてで同じ国のライダーが表彰台の頂点に立つことは難しい。スペイン人ライダーが3クラスを制したのは、直近では2017年のスペインGP(ヘレス)のダニ・ペドロサ(MotoGP)、アレックス・マルケス(Moto2)、アロン・カネト(Moto3)以来となる。
スペイン人ライダーに対抗するのがイタリア人ライダーで、2017年のイタリアGPではMotoGPでアンドレア・ドヴィツィオーゾ、Moto2でマッティア・パシーニ、Moto3でアンドレア・ミーニョが、2018年のサンマリノGPではMotoGPでドヴィツィオーゾ、Moto2でフランセスコ・バニャイア、Moto3でロレンツォ・ダラ・ポルタが、ホームレースで優勝を成し遂げている。
ちなみに、日本人ライダーが世界グランプリを席巻していた時代である1998年の日本GPでは、125ccクラスで坂田和人、250ccクラスで加藤大治郎が優勝し、2クラスを制覇。しかし、500ccクラスでイタリア人ライダーのマックス・ビアッジが優勝し、ホームレースでの日本人の全クラス優勝はならなかった。
それでも、500ccクラスでは岡田忠之が2位、芳賀紀行が3位に入賞。250ccクラスでは2位に中野真矢、3位に松戸直樹、125ccクラスでは2位に眞子智実、3位に東雅雄が入賞と、3クラスで8名の日本人ライダーがホームレースで表彰台に立つという活躍を収めたことがある。
グランプリライダーのだれもが、ホームレースは特別な一戦だと言う。母国のファンの応援を受けることで、プラスアルファの力が出るのがホームレースだと言うのだ。スペインは特に二輪ロードレース熱が高く、サーキットに駆けつけたファンの熱気も高い。
マルケス兄弟はカタルーニャ州にあるセルベラという街の出身。カタロニア・サーキットはまさにホームサーキットだ。一方、ラミレスはヘレス・サーキットのあるアンダルシア地方出身のライダーだ。
2019年のカタルーニャGPでは、Moto3のラミレスはレース展開的にラッキーな面もあったが、トップ集団につけ、チャンスを逃さず、グランプリ初優勝をホームレースで飾った。マルケス兄弟はどちらも独走での勝利。カタルーニャGPでは二人とも、2014年(アレックスがMoto3、マルクがMotoGP)以来となるホームレースでの優勝、そして、今シーズン2度目となる兄弟での優勝となった。