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『ニューヨーク 最高の訳あり物件』マルガレーテ・フォン・トロッタ監督のインタビュー到着

2019年06月26日 17:41  リアルサウンド

リアルサウンド

『ニューヨーク 最高の訳あり物件』(c)2017 Heimatfilm GmbH + Co KG

 6月29日より公開される映画 『ニューヨーク 最高の訳あり物件』より、マルガレーテ・フォン・トロッタ監督のインタビューが公開された。


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 本作は、『ハンナ・アーレント』『生きうつしのプリマ』のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督が挑んだ初のコメディ・ドラマ。マンハッタンの超高級アパートメントに暮らすモデルのジェイドは、デザイナーとして華々しいデビューを企画していたが、スポンサーでもある夫ニックに突然離婚を告げられてしまう。さらに、傷心の彼女のもとに夫の前妻であるマリアが転がり込んできて、慰謝料として残された部屋の所有権を巡って2人のおかしな共同生活が始まることに。同じ男と結婚したこと以外は、ファッションもライフスタイルも性格も、すべてが正反対のジェイドとマリアの、プライドとこの先の人生をかけた闘いが幕を上げる。


 『ヘラクレス』や『ウエストワールド』のイングリッド・ボルゾ・ベルタルが、突然夫に離婚を告げられてしまうジェイド役を務め、『帰ってきたヒトラー』や『生きうつしのプリマ』のカッチャ・リーマンが前妻マリアを演じる。そして、2人を引き寄せた張本人であるニック役には『雪の轍』のハルク・ビルギナーが名を連ねた。


 フォン・トロッタ監督は、女優としてキャリアをスタートし、70歳を過ぎ未だ現役で活躍する女性監督の草分け的存在でもある。今年の5月にはその功績が称えられ、ドイツ映画賞にて功労賞を受賞した。


 『鉛の時代』や『ローザ・ルクセンブルク』、近年では『ハンナ・アーレント』など、女性を主人公にした作品を撮り続けてきたことについて、フォン・トロッタ監督は「女性のことは自分でよくわかるけれど男性のことはよくわからないから(笑)。でも嬉しかったのは、この映画でニック役のビルギナーから、ニックのキャラクターに関して『男なんてたしかにこんなもんだよ』とお墨付きをもらえたことです。彼にこの役を演じてもらえたことは光栄でした。彼はトルコの国民的俳優ですから」とコメント。


 また、女性監督が増えている現在の映画界を「わたしの若い頃に比べて、どんどん状況が良くなってきていることは確かですね。以前は女性監督などほとんどいませんでしたから、常に闘ってきた印象があります。#MeTooムーブメントも、今になってようやくかとも思いますが、ともあれ状況がよくなってきていることはとても喜ばしいことです」と過去と比較して語った。


 2017年に行われた第30回東京国際映画祭で『さようなら、ニック』のタイトルで上映もされた本作。フォン・トロッタ監督は、「東京国際映画祭に招待され上映されたときは残念ながら日本に行けなかったのですが、代わりに行ってくれたプロデューサー(ベッティーナ・ブロケンパー)から、とても反響が良かったと聞きました。とくに女性客から好評だったと聞き、大変嬉しく思っています。そして、再び日本で公開されるということを光栄に思います。映画をどうぞ楽しんでください」と日本の観客へメッセージも送った。 (文=リアルサウンド編集部)