モリワキ-アルティア・ホンダ・チームからレオン・キャミアの代役としてSBK第7戦イタリアに参戦した高橋裕紀が、レース1で8位フィニッシュ。チームにとっても高橋自身にとっても、ベストリザルトを獲得した。
第7戦イタリアのレース1は激しい雨により、厳しいコンディションとなった。スタートは雨によりディレイとなり、その後スタートしたレースはトップが4周目に入ったところで雨が激しくなったことから赤旗中断となる。
再開後のレースでは、中断前のポジションがグリッド順となったことから、高橋は11番グリッドからスタート。2周目には8番手に浮上すると、集団のなかでトプラク・ラズガットリオグル(ターキッシュ・プセッティレーシング)やサンドロ・コルテセ(GRTヤマハ・ワールドSBK)などと7番手争いを繰り広げ、8位でフィニッシュ。
高橋にとってSBKの代役参戦は第6戦へレスに続く2戦目だったが、難しいウエットレースでシングルフィニッシュを達成し、チームに今季ベストリザルトを贈った。
「コンディションはとてもトリッキーで、できる限り安全に走らなければなりませんでした。一方で、可能な限り一生懸命に争わなければならなかったんです! 3回のフリー走行では、こうした状況に向け、できるだけ準備をするために(テストとは)違ったセッティングを試しました」
一方、清成龍一はポイント圏内の14位フィニッシュ。「とてもがっかりです」と期待通りのレースにならなかった様子を表現する。第6戦ヘレス前に、今回の開催地であるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでテストを行ったが、そのときのいい感触が今大会になかったという。
「(テストでは)ウエットでもドライでも、いい感触がありました。しかし今日は、レインでの感じがよくなかったんです。攻めることは難しく、クラッシュしないように完走するよう努めることで精いっぱいでした。ただ、興味深いデータを集めることはできました。同じような状況でのレースに役立つでしょう」
翌日は好天に恵まれ、コンディションはドライ。ただ、この日はスーパーポール・レースでもレース2でも、高橋、清成ともに苦戦を強いられることになる。
スーパーポール・レースでは清成が15位、高橋が14位。レース2では清成が17位、高橋は転倒を喫しリタイアとなった。
清成はウイークをとおして厳しいレースとなったと言い、「特にフロントにおいて、バイクをうまく改善することができませんでした。週末を通じてコンディションが安定しなかったのも、その要因です。しかし、こうした状況に合わせるのも僕の仕事です。満足のいく週末とならず、チームに謝りたいです」とコメントしている。
レース1で8位ベストリザルトを獲得した高橋は、スーパーポール・レースで上位に食い込むことはできなかったものの、タイヤのグリップを向上させるために行ったセッティングがうまくいっていたという。続くレース2でも同じ方向性でセッティングを調整し、臨んだが、14番手を走行中の18周目、転倒を喫してしまった。
「十分ではないものの、バイクの感触には満足でした。僕たちは懸命に作業しましたし、これが将来に役立つことを願っています。しかしレース2のクラッシュについてはチームに申し訳ない気持ちです。ブレーキングでミスをしてしまいました」
厳しいレースウイークとなった清成は気になるところではあるが、高橋はウエットレースでの8位フィニッシュを果たし、翌日のドライコンディションのレースでは前向きなセッティングを見出した。少しずつ、モリワキ-アルティア・ホンダ・チームが前進を続けている。