転職エージェントのワークポートは6月25日、終身雇用に関するアンケート結果を発表した。調査は今年5~6月に実施し、同社を利用する求職者405人から回答を得た。
現在勤務中もしくは直近まで働いていた会社に入社したとき、「定年まで働くことを想定していなかった」と回答した人は68.6%。具体的に聞くと、
「後に独立する計画を立てていた」(40代男性・クリエイター)
「転職してキャリアアップしていく時代だと思うため」(20代男性・企画マーケティング)
といった、はじめから後のキャリアを見据えての入社や、キャリアアップの手段として転職を考えている意見が大多数となった。一方、
「定年まで会社が存続できるとは思えないから」(20代男性・接客販売)
「ずっと居たいと思うような会社ではないから」(30代男性・アシスタント)
「転職が普通な時代。やりたいことを見つけるために転職を前提に入社した」(20代・女性・DTPオペレーター)
など、とりあえず入社したという意見も散見された。同社は「全体的に転職に対するハードルが下がってきていることも今回の結果の一因となっていると考えられます」とコメントしている。
終身雇用制度は「転職弱者やキャリア弱者のための終身雇用はあった方がいい」?
終身雇用制度について聞くと、「必要ではない」(54.3%)が過半数。具体的には、
「能力よりも年功序列での評価になりやすく、そのデメリットが大きすぎる」(30代男性・エンジニア)
「企業成長のためには新陳代謝は必要」(30代男性・営業)
「副業や転職、キャリアの方向性を自分で自由に変えられる仕組みの方が現代的」(30代男性・接客販売)
といった意見が目立った。
一方、必要とする人(45.7%)からは「年金ももらえるかわからない時代だからこそ、終身雇用は必要」(40代男性・コールセンター)、「ライフプランを立てる上で収入の安定は必要だから」(30代女性・管理)といった声が寄せられた。「転職弱者やキャリア弱者のための終身雇用はあった方がいい」という人もいた。
「年功賃金制を支持する」という人は28.1%で、「支持しない」が71.9%となっている。支持しない人からは、
「年齢が上でも実力がない人がいるため」(20代男性・システムエンジニア)
「能力があるのに賃金が低いと働く意欲が下がるため」(30代女性・医療福祉)
といった、年齢ではなく実力で評価されるべきという声が多かった。支持する人からは「年齢に応じて必要なお金も増えるから」(30代男性・機械系エンジニア)、「頑張って働いてきた証だと思うから」(20代女性・接客販売)という声が寄せられた。
また「必要に応じて何度か転職してもよい」と回答した人は68.4%で、働き方のひとつの選択肢として「転職」を前向きに捉えていることがうかがえる。