レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、先週末の第8戦フランスGPの決勝レース中に、チームからはメルセデスやフェラーリのタイムについて知らされたものの、あれ以上のペースで走ることはできなかったと振り返った。
フランスGPを4番手からスタートしたフェルスタッペンは、チームからの無線に対して、自分には「魔法のようなスロットルペダルはない」と伝えたという。
「(決勝レースでは)チームがメルセデスとフェラーリのラップタイムについて、繰り返し伝えてきた」とフェルスタッペンは話した。
「でも僕は本当にこれ以上速さを出すことはできないと彼らに言ったんだ。僕には魔法のスロットルなんてなかったからね。僕はできることすべてをしようとした」
「僕の周りにはほぼ誰もいなかった」
「でもシャルル・ルクレールのフェラーリのマシンが視界に入っていたから、退屈だったわけではない。僕はプッシュし続けようとしていたんだ。たとえそれが戦う相手になるマシンではなかったとしてもね。それでも僕たちがどれだけ速く走れるかを知りたかった」
「第2スティントのある時点では、かなりスピードを出せていたように思う。残り6周か7周のところでリヤのグリップが失われたけれど、そのまま走りきることを決めた。それ以上リヤタイヤに頼ることができなかったから、それでもフェラーリの1台の前(4位)にいられたことは、僕たちにとっては良い結果だよ」
■優勝を飾ったオーストリアGPでは、厳しいレースを覚悟
フランスGPを終えたばかりだが、今週末には第9戦オーストリアGPが迫っている。フェルスタッペンは昨年、5番手から決勝レースをスタートし、レッドブルのホームレースで優勝を飾っている。
2019年のオーストリアGPを前に、フェルスタッペンは次のように語った。
「おそらく4位か5位につけることになるだろうが、フェラーリがミスをするかどうかによるね」
「もしフェラーリが2台ともミスをしたら、3位になれるかもしれない。今の時点で僕たちにはペースが不足しているし、そのことは受け入れなければならない」
「その間にもマシンと、主にパワーユニットについても懸命に取り組みを続ける必要がある。フェラーリとメルセデスは新たに進歩を遂げているし、ルノーもそうだ。そのなかで僕たちのマシンには十分に大きな進歩がないから、やるべき作業がある」
オーストリアGPでは常に多くのオランダ人ファンがオレンジ色のシャツに身を包み、フェルスタッペンを応援する。だがそのことが、彼を魔法のように速くすることはないという。
「そこでのオランダ人のファンが僕にさらなるパワーを与えてくれるわけではない」
「もしパワーが与えられていたとしたら、僕は他のすべてのコースで何か間違ったことをしていたことになる。彼らがいてくれて嬉しいし、彼らのために良い結果を出そうと思う。でも奇跡は期待していない」
「カナダ、フランス、オーストリアのコースはベストなコースではない。昨年のオーストリアGPは運に恵まれたし、メルセデスとフェラーリよりも優れたマシンがあった。今の時点で、僕たちにメルセデスより優れたマシンがあるとは言えない。だから僕は現実的になって、厳しいレースになると言っておくよ」