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アラン・レネ『去年マリエンバートで』4Kデジタルリマスター版が10月公開 シャネルが全面協力

2019年06月25日 13:21  リアルサウンド

リアルサウンド

 1961年の第22回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞したアラン・レネ監督、アラン・ロブ=グリエ脚本作『去年マリエンバートで』の4Kデジタルリマスター版が、10月にYEBISU GARDEN CINEMAほかにて公開されることが決定した。


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戦後、世界文学にムーヴメントを巻き起こした文学運動“ヌーヴォーロマン”の旗手アラン・ロブ=グリエとヌーヴェル・ヴァーグ左岸派の代表格アラン・レネがコラボレーションを果たした本作は、「映画史上最も難解な映画」と語られる一方、映画芸術の到達点として、後世の映画作家たちに多大なる影響を及ぼし続けている。


 ヒロインを演じたデリフィーヌ・セイリグが劇中で着るドレス数着の衣装は、晩年のココ・シャネル自らがデザイン。「シャネル・スタイルの集大成」と称えられるクラシカルなブラックドレスの数々は、「ドレス・ア・ラ・マリエンバート」と呼ばれ、仏女優ブリジット・バルドーはじめ、劇中と全く同じドレスをオーダーメイドした著名人が後を絶たず、一世を風靡した。


 半世紀の時を経て、シャネルの全面サポートによってよみがえった本作は、2018年の第75回ヴェネチア国際映画祭にてプレミア上映され、会場にはティルダ・スウィントン、ナオミ・ワッツ、アレッサンドラ・マストロナルディ、ヴィッキー・クリープス、ステイシー・マーティン、クロエ・セヴィニー、ギャスパー・ウリエルら各国の俳優が、本作の衣装にインスパイアされたシャネルのドレスを身にまとって登壇した。


 本作を敬愛してやまないスウィントンは、「まるで昨日作られた映画のよう。現在作られている映画よりずっと新しく、過激。紛れもない傑作ね」と絶賛。シャネルの衣装も「単なる衣装としての役割を超越している」とコメントした。(リアルサウンド編集部)