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日向坂46は今の時代に沿ったアイドルだ 「キュン」に続き“ドレミダンス”もTikTokバズりを意識?

2019年06月25日 10:31  リアルサウンド

リアルサウンド

日向坂46『ドレミソラシド』(TYPE-A)

 日向坂46の2ndシングル『ドレミソラシド』が、7月17日にリリースされる。センターは前作『キュン』に続き、小坂菜緒。6月23日に放送された冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)より、「ドレミソラシド」のMVを使用したCMもスタートし、シングル発売への期待を集めている状態だ。


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 日向坂46は、同じ坂道シリーズの乃木坂46、欅坂46とは異なるカラー、プロモーション方法を用いたグループ。どんな時も光満ち溢れるハッピーオーラ、そして唯一ショート動画アプリ・TikTokにアカウントを開設しているのが、それらに当てはまる(乃木坂46の松村沙友理が率いるさゆりんご軍団のアカウントも存在するが、グループとしては初)。『キュン』の発売日である、3月27日直前に開始したTikTokアカウントは、現在17万ファン(フォロワーを示すTikTokの単位/2019年6月24日現在)を突破。おしりを振って両手で日向坂46の「ひ」の形のポーズを決める“キュンキュンダンス”は、TikTokとの相性も良く、センターの小坂が踊る動画には現在までで約12万5千いいねが付けられている。


 『キュン』がリリースされて、およそ3カ月。日向坂46は様々な音楽番組に出演してきた。代表格と言える4月出演の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)での紹介テロップは「“キュンキュンダンス”が話題のデビュー曲」というものだった。6月15日に出演した『第6回 明石家紅白!』(NHK総合)においても、小坂が明石家さんまに“キュンキュンダンス”をレクチャーする一幕が。『日向坂で会いましょう』では、同じMCのオードリー・若林正恭に比べ、“日向坂46愛”がないと疑われた春日俊彰が、推しメンの丹生明里から「“キュンキュンダンス”踊れますか?」と確認される場面もあった。つまり、「キュン」を知っていればキュンキュンダンスが踊れるという認識が自然と形成されていったわけである。


 「ドレミソラシド」は「真夏の日向」をジャケット写真のテーマに、「キュン」のクリエイターが続投されているのも特徴的だ。屋外プールを舞台に撮影したのは監督・安藤隼人、振付はCRE8BOYが手がけた。CRE8BOYは「ドレミソラシド」の振付について、「冒頭ではシェイクというダンスをベースに、向日葵がドレミに合わせ踊り出す様子をイメージ。空に向かって“ドレミ”を弾いたり、とにかくポジティブなダンスです」とツイート(引用:振付師 CRE8BOY オフィシャルTwitter)。“キュンキュンダンス”に続く、“ドレミダンス”と名付けている。


 「ドレミソラシド」において、最も印象的なのは、〈ドレミ ドレミ ドレミ ソラ ドレミ ドレミ ドレミ ドレミ ソラシド〉といった冒頭からスタートするサビに繋がるメロディパート。この歌詞構成は前作「キュン」の〈キュンキュンキュン キュンどうして キュンキュンキュン キュンどうして I just fall in love with you〉はもちろん、乃木坂46の「インフルエンサー」、〈ブンブンブン ブンブンブン ブンブンブン ブンブンブン インフルエンサー〉にも見られる手法だ。


 乃木坂46が『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演した際、黒柳徹子が「CMでよく聴いた“ブンブン”というヒット曲」と話していたことから、楽曲を印象付ける絶大な効果をもたらすことが分かる。そこに日向坂46が取り入れたのが、一緒に踊ることができるダンスである。


 “ドレミダンス”で取り入れられているシェイクは、ヒップホップダンスから派生した踊り。すでにTikTokでは多くの動画がアップされている流行ダンスの一つであり、PerfumeもTikTok公式アカウントにて披露しているほど。日向坂46は、そのシェイクダンスをポップに取り入れている。向日葵がドレミに合わせ踊り出す様子をイメージさせながら、〈ソラシド〉の節では、前作に続き「ひ」の形のポーズを踏襲しているのもポイントだ。


 いまのところ日向坂46のTikTokにて、メンバーのドレミダンスは披露されていない。だが、今週6月26日放送の『テレ東音楽祭2019』(テレビ東京系)を皮切りに、音楽特番への出演がスタートする。「ドレミソラシド」のテレビパフォーマンスがいつになるかは明らかになっていないが、発売月となる7月には、TikTokとの相乗効果で「キュン」を上回る盛り上がりが期待できそうだ。


■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。