(左から)小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、村岡潔監督(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark) 全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦SUGOの決勝レースを終え、優勝を飾った山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、2位の小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、3位のルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)、そして優勝チーム監督の村岡潔氏がトップ3会見に臨み、レースを振り返った。
■山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)/決勝 優勝
「チームを移籍して初めての優勝、その優勝もポール・トゥ・ウインという形で、完璧な勝利を挙げることができ非常に嬉しく思うと同時に、素晴らしいクルマを用意してくれたチーム、そしてスポンサーのみなさんにとても感謝しています」
「レースの展開ですが、ポールスタートなのでセーフティカーのことも当然考えましたし、いろいろな状況を想定して戦略をたてたものの、結果的にスタートを決めて逃げ切るレースをしようという戦略に決めました」
「レースの展開にも恵まれ、ほとんど影響のないタイミングでセーフティカーが入ったので、こうして勝つことができたと思っています。本当に嬉しいです。また引き続きタイトルに向けてしっかりと地に足つけて頑張りたいです」
「昨年は第2戦がキャンセルになりましたが、確か昨年もSUGOで11ポイントのリードがあったので、(昨年の展開を振り返ってみれば)数字だけを聞くとまったく安心はできないです。もし次に僕がノーポイントで、ランキング2位の選手がポール・トゥ・ウインで優勝すれば同じポイントになりますし、(11ポイントのリードは)あってないようなものだと思います」
「ただ、どのサーキットでも上位で戦うレベルの高いクルマとチームの戦略があるというのが昨年とは大きく違います。それをしっかり活かして、さらに伸ばせるように、自分の力を加えて最後にチャンピオンを獲れるような戦い方をしたいなと思います」
■村岡潔監督(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「1番を背負って走るということは、圧倒的なフォーミュラカーのレースをしないといけないと思っていました。そういうドライバーを受け入れた宿命ですから、しっかりやらなければなりません」
「鈴鹿もオートポリスもいけると思ってましたし、ずっといけると思っていたので、3戦目で勝てたので許容範囲かなといった感じです」
「このあとリズムに乗って、より一層前向きにポイントを重ねてタイトルを獲るということが山本君を乗せているチームの宿命です。そのことをしっかりやっていくためには、今回の優勝は山本君にとってもチームにとっても非常に重要な通過点なので、そういう意味では嬉しいですね」
「うちのチームは、出ていく人も、新しく入ってくる人も少ないですし、ファクトリーも京都にあって、レース界では良くも悪くも孤立しています。大きく変わったことは何もありません。日々の積み重ねです」
「この3戦目でB-Max Racing with motoparkさんも表彰台に乗りましたが、私なんかはチームを作ってから5年くらいはポイントをとれないチームでした。今年で30年経ちますが、やっとこの数年で戦えるチームになりました。何かで変わることがないというのが、何よりも強いチームだと思っています」
「2016年のストフェル(バンドーン)のとき以来勝っていなかったのですが、変わらないということで、最後のひと押しができていなかったというのが悪い面でした。そういう面を山本くんと福住(仁嶺)くんのふたりが最後にまとめてくれました。やはり総合力だと思います。山本くんがいないと福住君は伸びないし、毎年ふたりのドライバーを乗せて『今年がベストだな』と思いますが、今回も勝ってますし、ベストだと思います。ベストな仕事をしてくれてチームをリードして、それに応えられるチームだと自分では思っています」
■小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)/決勝 2位
「今日の展開でいけば、2位が最高位だったと思うので、今日のパフォーマンスに関してはできる限りのことをしたかなと思います」
「セーフティカーがもう少し早く出てくれれば、僕にとっては良かったと思いますが、僕がトップを走るとろくなことがないし、後方を走っていてもだいたい助けてもらえません(笑)」
「先週の2位(ル・マン24時間)に続き、僕を助けてくれることはないんだなというのを、改めて2週連続で感じました」
「ただ、チームもすごく頑張ってクルマを作ってくれ、今週はトヨタにとって厳しそうなレースだったけど、なんとか2位を獲得できたということは良かったし、今後に向けてこの調子を維持していきたいなと思います」
「(セーフティカー)1回目の時は、僕のOTS(オーバーテイクシステム)が残っていなかったけれど彼(ルーカス・アウアー)には残っていたので、正直諦めていました。抜こうと思ってボタンを押されたらこちらはポジションを守ることができないので、前(との間隔)を空けて最終コーナーをきちんと走れるようにしてスタートしました」
「でも『いけるかも』と思えたので、2回目の時もそうしたら、周回遅れのクルマがいたので、“ラッキー、いただき!”という感じです。優勝は無理だったので、得意の2位でした」
■ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)/決勝 3位
「まずはこの場を借りて、B-Max Racing with motoparkに感謝したいし、おめでとうと伝えたい。スーパーフォーミュラに参戦したばかりで、3戦目でポディウムに上がれたことを本当に光栄に思うしとてもハッピーだよ。3位という結果は、チームにとってもこれからのシーズンに向けても自身に繋がると思うし、本当に良かった」
「レースに関しては、本当に楽しいレースだと思った。僕としてはスタートがとても良くて、最初の2、3周もうまくいった。ソフトタイヤでロングスティントを走ったけれど、それもスムーズにいった」
「ピットストップではポジションをひとつ落としてしまったので悔しい。ただ前を走る選手がミスをしてしまったので、僕はまた2番手に戻ることができた。そこからは良いペースで2番手を走ることができていたけれど、最後に周回遅れのマシンに引っかかったことが残念だった。でも全体的には良い戦いができた」