2019年06月23日 11:01 弁護士ドットコム
出会い系で知り合った主婦と肉体関係を結んだ男性が「相手の夫に知られてしまった」と、弁護士ドットコムに相談を寄せました。
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男性が女性とホテルで会っていたところ、相手の夫がやってきたと言います。「この場で解決したければ誠意を見せろ」と言われ、男性は恐怖のあまり、ATMに行き、すぐに100万円を渡したそうです。
その際「適当な紙」に示談書を書いて渡しましたが、その後「さらに慰謝料を請求されるのではないか」と心配になってきたと言います。要求してきたのは、本当に「夫」かどうかは不明で、初めから脅すためだった「美人局」トラブルなのか、純粋な不貞だったのかは相談内容からは判然としません。
男性はどのように対応すればよかったのでしょうか。渡邊幹仁弁護士に聞きました。
今回のように「その場で、100万円を支払う」行為に、法的なリスクはありますか。
「まず相手が本当に『夫』だったのかは分かりません。また、仮に本当の夫だったとしても、当初からお金を脅し取る目的で行ったことかもしれません。つまり、美人局の可能性も否定できない状況です(その場合、相手の行った行為は、恐喝罪にあたる可能性があります)。
相手の言うがままに信じて従うのではなく、きちんと事情を確認したうえで、ちゃんとした話し合いの解決を図るべきでした。とはいえ、その場でお互い冷静な対応ができないかと思います。そこで、連絡先を確認したうえで、後日、話し合いをしたほうがよかったでしょう。
また、相手が要求する慰謝料が、全額で100万円なのか一部なのかも判然としません。一部という場合には、後日、さらなる請求を受ける可能性もないとは言えません」
示談書を作るなら、追加の要求を防げるようにするべきだったのですね。
「そうですね。示談書を1通しか作成しておらず、しかもそれを相手に渡してしまった(ご自分の手元に控えがない)となると、相手が『示談書を書いていない』などと言って請求してきた場合には、示談をしたという事実自体を証明することが困難となってしまいます」
事柄が事柄だけに、慌ててしまっても不思議ではありません。
「その場で話をつけようとせず、警察に相談するなどの対応を取るべきです。あるいは、後日話し合うという形にして、その場を切り抜け、弁護士に相談・依頼することも考えられます」
【取材協力弁護士】
渡邊 幹仁(わたなべ・みきひと)弁護士
離婚・親子関係などの家事事件、男女問題、不法行為に関する事件や、刑事事件・犯罪被害事件を数多く取り扱っている。
事務所名:新潟菜の花法律事務所
事務所URL:http://niigata-nanohana.com/index.html