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ホンダ勢が上位独占。山本尚貴がポール獲得も予選Q3が説明なく突然赤旗終了に【スーパーフォーミュラ第3戦SUGO予選】

2019年06月22日 16:01  AUTOSPORT web

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スーパーフォーミュラ第3戦SUGOの予選でポールポジションを獲得した山本尚貴。ドライバーを代表して突然終了した予選Q3への不満を代弁した。
6月22日(土)、2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦SUGOの予選が行われ、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの山本尚貴がコースレコードを更新してポールポジションを獲得したが、予選Q3がセッション途中で赤旗終了となるなど、混乱を巻き起こす展開となった。

 この第3戦では、予選におけるコース上のトラフィックの影響を緩和するために、予選Q1をA組とB組という各10台ずつの2グループに分けて行うことが発表された。各グループの上位6台がQ2に進出できることになっており、それ以降は通常通りQ2で4台がノックアウト、Q3では8台によるポールポジション争いが行われる。

 前夜の雨の影響により、午前中のフリー走行はウエットコンディションで行われた。予選前にも一度雨が降ったものの、開始時には心配されていた雨も降らず、気温23度、路面温度24度というドライコンディションでのスタートとなった。

 まずA組に登場したのは、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、山下健太(KONDO RACING)、アーテム・マルケロフ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、塚越広大(REAL RACING)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)、坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)、牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)の10名だ。

 セッション開始とともに各車コースへ出て行き、2周ほど費やして入念にタイヤを温めた。残り時間が5分を切ったところで雨がぱらつき始めたが、まずは牧野が1分5秒710をマーク。それに野尻、福住、塚越、キャシディと続いた。

 2度目のアタックでは、福住仁嶺が1分5秒687でトップに浮上。Q2進出ラインの6番手が目まぐるしく入れ替わるなか、7番手だった平川がセクター2、3、4で全体のベストタイムを更新して1分5秒680というトップタイムをマーク。最終的に平川を含め、福住、牧野、野尻、塚越、ニューウェイまでがQ2に進出。ホンダ勢の活躍が光った一方、開幕戦ウィナーのキャシディは、ここで姿を消した。

 続くB組は、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(KONDO RACING)、大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)、小林可夢偉、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)、アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が登場した。

 B組のセッション開始時にも少々雨がぱらついていたが、なんとかドライコンディションのままスタート。ただ、各チームのガレージにはウエットタイヤが用意されていた。

 雨を心配してか、各車ウォームアップを1周で済ませるなど早めのアタックに入り、ますは関口が1分5秒761をマーク。山本が2番手に続き、最終コーナーで姿勢を乱しながらもパロウが3番手で続いた。

 山本は2回目のアタックで1分5秒014でトップに躍り出ると、今度はパロウがそれに続く。だがパロウは計測直後に1コーナーでコーフオフを喫してしまった。この時点では3番手にはアウアーが続き、ここでもホンダ勢の活躍が目立つ。

 残り時間が2分を切ると、可夢偉が6番手に浮上した。ところがすぐに国本がそれを上回り、可夢偉は7番手に下がってしまう。だがラストアタックに向かった可夢偉は、一気に3番手まで浮上し、Q2進出を決めた。一方午前のフリー走行でトップタイムをマークした関口は、7番手でQ1敗退となった。

 Q1終盤には、コース上はところどころ雨の影響が出ていたようだったが、Q2もドライコンディションのままスタートし、全車がソフトタイヤでコースイン。残り2分を切るとアタックが始まった。

 まずは、山本がコースレコードを塗り替える1分3秒953をマーク。2番手の牧野以降も従来のコースレコードを更新するタイムを記録し、なんとホンダ勢がトップから7番手までを占めた。

 トヨタ勢では唯一、可夢偉が8番手に滑り込んだが、最終的に9番手でQ2敗退となった平川までがコースレコードを上回り、全12台がほぼ1秒以内に収まる大接戦だった。

 Q3開始時には雨足が強まり、路面も黒く濡れた色に変わるほどになった。ウエット宣言もなされたが、全8台がドライタイヤのままコースへ出て行った。

 ただ、すぐに雨は弱まり、まずは山本が1分4秒532を記録した。その直後、パロウがSPコーナーのふたつめを曲がりきれずにアウト側にコースアウトし、バリアを激しく飛ばす勢いでクラッシュしてしまった。そのパロウの後を追うようにアタックを行い、そこまでセクター1、セクター2で全体ベストタイムを更新していたチームメイトの牧野が、なんと同じSPコーナーのふたつめでコースアウトを喫した。牧野は、パロウによりバリアの薄くなったところにクラッシュしてしまったが、幸いパロウも牧野も自力でマシンを降りる様子が確認されている。

 このクラッシュにより、残り時間1分24秒のところで赤旗中断となった。ところがその直後、明確な説明もなく、この赤旗中断をもって予選は終了に。

 2番手のパロウ、3番手の野尻、4番手のアウアーのタイムは1分10秒台で、塚越、小林、福住、牧野はタイムを計測できておらず、ほとんどのドライバーが不完全燃焼のまま予選を終える結末となった。

 その後、予選3番手までのポールポジション会見脇に山本、パロウ、野尻、アウアーの4人が待機する形となり、結局、赤旗の原因となったパロウは予選2番手が抹消されて会見場を去り、山本、野尻、アウアーのトップ3となったが、「Q2まではすばらしい予選だったけど、Q3はみなさんと同じようにドライバーも腑に落ちない予選になった」と山本が代弁するように、前戦オートポリスとは事情が異なるが、不満の残る予選となった。