生産性の高い働き方が求められる昨今。他の人がやるはずの仕事を頻繁に受けていては、自分の仕事が終わりません。「ガールズちゃんねる」には5月、「仕事を押し付けてくる人の対処法。」というトピックが立ちました。
トピ主は、何かと仕事を押しつけてくる上司にイライラしています。納期が迫った仕事を必死でこなしているとき、上司に呼ばれ仕方なく行ってみると、誰がやっても30秒で終わるような仕事を軽いノリで頼まれました。トピ主は内心激怒したのでしょう。
「ついに、上司なのに冷たくあしらってしまいました……。若さゆえに失礼な事をしたかなと思っているのですが、こういう時はどう対処すればいいでしょうか?」
と質問しています。(文:篠原みつき)
「あまりに仕事しない男性社員に『自分の仕事が何かも分かってないの?』って噛み付いた事ある」
上司は普段から何でも人に仕事を振るため、職場内で「やる気ゼロ」と見なされています。自分が役に立てるならいいという考えもありますが、「いいように使われているだけ」なら腹も立ちます。
スレッドには、「仕事が進まなくてサビ残する身にもなってほしい……」「職場の部下を奥さんかなんかと思ってるじじいもいる」などの怒りが上がり、似たような悩みが多いことがわかります。仕事が出来る人ほど聞かれたり頼まれたりが多く、担当から仕事を丸投げされ怒り心頭の人も。
一方、意外に多かったのが「断る」人たちです。ただ断るだけでなく、嫌味や説教まで繰り出す人の多さには驚きました。
「私は割と言う方ですね。ええっ私こんなことで手止めさせられたんですか?はあ……ってため息つく」
「おばはんなので『あー無理です無理!すいませーん!』って怒鳴って終わりにする」br />
「あまりに仕事しない男性社員がいたから『自分の仕事が何かも分かってないの?』って噛み付いた事ある」
など、皆さんなかなかのツワモノです。バカていねいに理由を言ったり、「ちょっと待っててくださいね!」を2時間繰り返した上で諦めさせる手も。査定や評価に関わると思うと断れない人も多いでしょうが、ある人は「断る勇気も必要なんだね」と励まされていました。
上司はあなたを育てようとしているのかも?仕事内容をすり合わせる必要性
ところで、『アンガーマネジメント・管理職の教科書』(川嵜昌子/総合科学出版)には、トピ主と同じ悩みに答えている箇所があります。「怒り」は、自分が物事に対して「こうあるべき」と思っていることが裏切られるとき起こるもので、あなたの「べき」に対して、上司は違う「べき」を持っていると説いています。
「もしかしたら上司は、あなたに仕事を押し付けているのではなく、仕事を任せて育てようとしているのかもしれません。あるいは、あなたが仕事を引き受けていることから、あなたが納得して働いていると思っているのかもしれません」
ですから、「上司の仕事」と「あなたの仕事」を上司と話し合い、内容をすり合わせる必要がある、とのことでした。
たとえば、2018年の人気ドラマ『獣になれない私たち』では、新垣結衣さん演じる営業アシスタントが、プレゼンから社長秘書、庶務的な仕事までやらされ、必死に仕事の範囲を明確にしようとしていました。結局彼女は退職していましたが、上司の指示に納得いかず、キャパを超える仕事を断ることが難しいなら、転職を検討してもいいかもしれません。
また、いまの事務は派遣など非正規雇用が多いので、「昔のように何でもハイハイ快くやって欲しければ、正社員で雇え」といった指摘もありました。そもそも、人手に余裕があり雑用をなんでもやって貰えた時代は終わったのでしょう。その辺り、上司にもご理解いただきたいものです。