ホンダは、2019年F1第8戦フランスGPに、スペック3のパワーユニット(PU/エンジン)を投入する。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、今回のアップグレードにより自分たちがメルセデスやフェラーリに追いつくようなことはないものの、小さな向上を積み重ねて、着実に前進することが重要であると語った。
フランスGPでレッドブルのフェルスタッペンとピエール・ガスリー、トロロッソのダニール・クビアトの3台に関し、新スペックが導入されることが明らかになっており、ホンダF1テクニカルディレクターの田辺豊治氏は、「今回はパフォーマンスの向上を図るためにICE(エンジン)とターボのアップデートを行った」と述べている。
2019年F1規則では、21戦のなかで6エレメントのうちICE、MGU-H、ターボチャージャーは3基に、エナジーストア、コントロールエレクトロニクス、MGU-Kは2基に制限され、それを超えるとグリッド降格ペナルティを科される。そのため、クビアトはフランスで基数制限を超え、ペナルティを受けることになり、レッドブル勢も次のパワーユニット交換時にペナルティ対象となる。
「アップグレードはいつだって大歓迎だ。ただ、それによって突然僕らがトップに立つようなことはないと思う」とフェルスタッペンはホンダのスペック3について語った。
「それでも、小さなステップを積み重ねていくことが重要だ。それによってすでに3基目のエンジンを導入することになってもだ。信頼性は問題ないが、パフォーマンスが欲しい」
「(今回のアップグレードがもたらすのは)小さな前進だ」とフェルスタッペンはFormula1.comのインタビューで語っている。
「ストレートでフェラーリやメルセデスに挑戦できるほどではないだろう。でも、小さいことでもすべてが助けになる。ひたすら前に進み続けるよ」
「彼らが保証しているレベルかそれ以上のものになるはずだから、楽しみだ。彼らはとても現実的だし、正直だ。約束しながら実現しないより、その方がいい。彼らは間違いなく実現させてきているし、目標に向かって進んでいる」
「ドライバーは、どこまで行っても常に改善を求めるものだけど、彼らはそれを理解して、作業に励んでくれている。シーズン序盤に、何か良くなったものがあれば保留しないで持ち込んでほしい、と僕らは話した。今シーズン中にペナルティを受けることになるが、それは大した問題ではない。僕らはパフォーマンスを追求していきたいんだ」
■ガスリー、ホンダ新スペックPUによるレースパフォーマンスの向上に期待
ガスリーは、スペック3によるパフォーマンス向上は、予選よりも決勝で効果を表すものと期待している。
「前回のアップグレードは、信頼性向上の方がメインだったが、今回はパフォーマンスの方に集中したものになっている。ただ、大きな向上にはならないと考えている」とガスリーは慎重な発言を行った。
「全体的なパフォーマンスが少し改善するだろうが、大きく変化して上位チームとのギャップをぐんと縮めるようなことはないだろう。今週末、僕らがどこまでやれるかを見ていこう」
「どちらかといえばレースでのパフォーマンスが改善すると思う。予選では大きな違いはないだろうけど、決勝で少し向上が見られるんじゃないかな」