F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは、2021年に導入される予定のバジェットキャップ制度を適切に運用することは可能だと考えている。
F1とFIAおよびチームは、計画にある1億7500万ドル(約188億4000万円)の支出上限金額について合意しており、将来的に各チームはその予算内で運営を行う必要がある。
しかしながら、バジェットキャップ制度ではドライバーの報酬、エンジンコスト、マーケティング費用といった一連の比重の大きい項目は除外されている。なおこの制度には、規則に違反したチームに対する罰則の適用を求める条項が含まれることになる。
チームの予算制限がどのように実施されるのかは不明だが、キャリーは、適切に機能するシステムが考案されたと確信している。
今週初め、キャリーはオーストリアの『Servus TV』に対し、「このプロセスを議論し通すまでに1年かかった」と語った。
「適切な上限額だけではなく、状況に応じて(コスト制限に従っているかどうかを)適切に確認することができるシステムも導き出すためだ。誰もが、このコスト構造が信頼できるものであると確信できるだろう」
「F1は複雑だが、こうした効果的な方法は世界中のあらゆるビジネスにおいて見出すことができる」
「ルールは明確だ。コスト制限が確実に行われていることを確認するための情報へのアクセスが必要になるが、適切で確実なチェックが可能であると確信している」
F1はレギュレーションに関して、2020年に“予行演習”を行う予定だ。チームは予算規制のために帳簿を公開して監査を受けることを推奨されることになるが、規制上強制されることはない。
「2020年までに予行演習を行う計画だ。そこではまだ予算制限に影響を与えることはないが、少なくとも我々がどのように情報をチェックするかというプロセスになる」
「予算制限がどのように機能するのかを理解するために、誰もが1年の時間をとるべきだ。我々は結果がどのようになるのかを見たいのだ」
「学びの過程になることは確かだ。幻想を抱いてなどいない。私の推測では、コスト構造をさらにいっそう改善することになるだろう」
「我々とチームは我慢しなければならないが、出発点が必要だった。それは、継続していくプロセスの始まりだ」
「我々はより良い競争が行われるスポーツを再び創り出そうとしている。それは関係者全員にとって健全なビジネスでなければならない」