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「まいぜんシスターズ」インタビュー:ゲーム実況界の新星に聞く、“ゲームの楽しさ”を伝える喜び

2019年06月19日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

ぜんいち&マイッキー

 いま、YouTubeを中心とした「ゲーム実況」シーンで、抜群の存在感を放っている「まいぜんシスターズ」。ゲームスキルが極めて高く、いつでも紳士的な「ぜんいち」と、自由奔放にゲームを楽しむ、愉快な「マイッキー」による動画は多くのファンを魅了し、チャンネル登録者数も約75万人(2019年6月19日現在)と急上昇中だ。定番タイトル『マインクラフト』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』の面白さを彼らの動画で知った、という人も少なくない。とことんゲームを楽しむ姿が印象的なゲーム実況界の新星は、なぜ動画投稿を始めたのか。その経緯からゲーム実況へのこだわり、チャリティー活動に力を入れる理由まで、ふたりにじっくり聞いた。(編集部)


(参考:ゲーム実況者・レトルトのYouTubeチャンネルが150万人を突破 人気の秘密は「親しみやすさ」にあり?) 


■「初見の人でもちゃんと楽しめるように」(ぜんいち)


ーーまずはお二人がゲーム実況を始めた理由から聞かせてください。


ぜんいち:マイッキーは5歳なので、なるべく僕が翻訳してお伝えしますね(笑)。最初のきっかけは、ふたりで普通にゲームをしていて、良いプレイ、面白いプレイが出たときに、「クリップとして残しておきたい」と思ったことです。奇跡的なプレイが出ても、録画していなかったら消えてしまうじゃないですか。それがもったいないと思ったし、ゲームで遊ぶなら録画して、どうせだったらYouTubeにアップしてみよう!と。それで、マルチプレイアクションゲームの『Happy Wars』や、『スマブラ』(大乱闘スマッシュブラザーズ)のプレイを録画して、アップするようになったんです。


ーー例えば『マイクラ』(マインクラフト)の動画が大好評ですが、ストーリーの作り方が面白く、ふたりの掛け合いも魅力的です。マイクラは自由度が高い反面、多くの実況者がプレイしている作品でもあって、そのなかでこれだけの再生数を得るのは簡単ではないと思います。本作に限らずですが、どんなことを意識して動画を録っているのでしょうか?


ぜんいち:一番気をつけているのは、まずは自分たちがやっていて楽しいかどうか。そして、みんなが見て楽しいかどうか、ということを意識しています。視聴者さんはきっと、僕らがワイワイ楽しんでいる動画を求めてくれていると思うので、それに合うタイトルを積極的に選ぶ、ということも大事ですね。


ーーおふたりの仲のよさは、動画からしっかり伝わってきます。また見逃せないのは、特にぜんいちさんの高いプレイスキルで、『スマブラ』もそうですが『フォートナイト』もかなりの腕前ですね。もともと、ゲームはやり込むタイプなんですか?


ぜんいち:そうですね。どちらかというと、やり込むタイプかもしれないです。あとは対戦ゲームが好きですね。あまり「レベル上げ」をしないので……(笑)。


ーーゲーム内のレベルでなく、自分のスキルを上げていくと。マイッキーさんはどうですか?


マイッキー:ボクはぜんいちくんがゲームをしているのを見て、おしえてもらったかんじです!


ぜんいち:もともとマイッキーは、ぜんぜんゲームをしなかったんですよ。僕がいろいろセッティングしてあげたら、ハマってやるようになって。


ーーなるほど。人のプレイを見て自分もやりたくなる、というのはゲーム実況の本質的な魅力ですね。


ぜんいち:確かにいまでも、ゲームに詳しくない、初見の人でもちゃんと楽しめるように、というのは意識しているかもしれないです。


ーー現在530万再生を超えている動画『【感動】心優しい青年と仲良くなりました【スマブラ】』で、小学生の子に優しくテクニックを教えてあげていましたが、自分のような初心者にも勉強になりました(笑)。さて、ふたりでゲーム実況をしていてよかったな、と思うのは、どんなときですか?


ぜんいち:一番よかったのは、僕はもともとゲームが好きだったので、いままでやってきたことを活かして人に楽しんでもらえたことですね。


マイッキー:ゲームをもっとやるようになった!


ぜんいち:翻訳すると、ゲーム実況を始めてもっとゲームをやるようになって、楽しさを伝えられているのがうれしい、ということですね。もともとゲームをプレイしていなかったマイッキーだからこそ、伝えられることがあるというか。視聴者さんが「まいぜんの動画を観て『マイクラ』を買いました」みたいに言ってくださることがあって、そういう声が何よりもうれしいんです。


ーーそれでは、逆に辛いこと、苦労することは?


マイッキー:ない!


ぜんいち:(笑)。苦労というわけではないんですけど、僕は動画にするまでに、自分がちゃんとゲームの内容がわかるくらいまでは、練習しなきゃダメだなと思っています。『フォートナイト』なんかは最初はけっこう難しくて、練習しないとしゃべりながら操作するのは難しいし、視聴者の方にストレスになってしまうので。


ーー初見プレイのリアクションを見せる実況者もいれば、やりこんで解説プレイをする人もいますが、まいぜんシスターズはその辺のバランスがとてもいいと思います。見ていてストレスがないし、かといって視聴者を置き去りにするようなプレイではなく、親近感もちゃんとわくというか。


ぜんいち:ありがとうございます。僕もめちゃくちゃ上手くなってからというより、一応スムーズに操作できるようになったあたりから動画にしていて。FPSなんかは、だいたい操作が似ているので、一つのゲームができるようになれば応用がきくのでありがたいですね。あと、注意しているのは、マイッキーは自由奔放なのがいいところなのですが、度は超えないようにと(笑)。HIKAKINさんの動画みたいに、ちゃんと面白くて、かつ家族でも安心して見られるのが理想ですね。


■「ずっと楽しく、一生ゲーム実況!」(マイッキー)


ーーさて、ぜんいちさんとマイッキーさんは、お互いのゲーム実況者としての魅力をどう捉えていますか?


ぜんいち:お話ししたように、マイッキーはすぐ調子に乗って、自分勝手なことをするんですけど、憎めないのがいいところだと思います。


ーー憎めない、というのは天性のものな気がしますね。マイッキーさん、ぜんいちさんの魅力は?


マイッキー:どんなゲームもハイスコア!


ぜんいち:僕がそれなりにゲームが上手なので、コンビで実況していて楽だと思ってくれているみたいです。


マイッキー:まじめなぜんいち……。


ぜんいち:手抜きしないことも評価してくれているみたいですね(笑)。


ーー(笑)。今後こんなゲームをやっていきたい、というプランもあったら聞かせてください。


ぜんいち:まだ具体的ではないのですが、『マイクラ』は続けていきたいし、『フォートナイト』もものづくりに特化したクリエイティブモードが面白いので、もっと動画にしていきたいですね。あとは、『スマブラSP』のステージ作りとか。『スーパーマリオメーカー2』も出ますし、見ているだけでも面白い、ものづくり系はどんどんやっていきたいです。ただ、ジャンルにはあまりこだわらず、基本的には面白そうだと思ったものをどんどん触ってみて、いい動画になりそうだと思うものをやっていこうと。もっとも、僕は美術的センスがなくて、数学とかプログラミングとか、そっちのほうが得意なんですけど。


ーー『マイクラ』の建築を見ると、素直にスゴイなと思ってしまいますが、確かに「仕掛け」のほうにも力が入っていますね。


ぜんいち:そうですね。『マイクラ』は思い通りのものが勝手に作れてしまうので、やっぱり面白いなって思います。


ーーさて、おふたりはYouTuberの地位向上に向けて、チャリティー活動にも力を入れています。その理由も聞かせてください。


ぜんいち:YouTuberというのは新しい職業で、いま注目されていますし、あとは自分たちがメディアのようなものなので、僕らはその影響力をいい方向に使う責任があると思うんです。特に僕らのチャンネルは小さいお子さんもかなり見てくれているので、ちゃんとしなきゃなって。「YouTuber」というと一般的にはよくない部分が目立ちがちだと思いますし、正しく理解されていないところもあると思いますので、少しでも誤解を解くことにつながったらいいなと。


ーー最後に、今後の動画活動でどんなことを実現したいですか?


ぜんいち:まずは、みなさんのお時間をいただいて動画を観てもらっているので、嫌々やるのは失礼だし、自分たちがちゃんと楽しむことを忘れずに、というのが大きいですね。そして、あとはできるだけ長い期間、活動したいというのが目標です。それこそ「一生」というくらい、長くできたら。


マイッキー:うん、ずっと楽しく、一生ゲーム実況!


(橋川良寛)