WEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”をLMP1プライベーターのレベリオン・レーシングで戦ったトーマス・ローラン。21歳の若手フランス人ドライバーは今年9月に開幕する2019/2020年シーズン、LMP2チャンピオンチームのシグナテック・アルピーヌ・エルフからシリーズに継続参戦する。
カートからスポーツカーへの道を進んだローランは2017年のル・マン24時間で、初出場ながら総合2位を獲得した若手ドライバーだ。既報のとおり、来季は1シーズンを過ごしたレベリオンを離れ、TOYOTA GAZOO Racingのリザーブ兼テストドライバーを務めることがアナウンスされている。
その一方でローランは2019/20年シーズンもWECへの参戦を継続する。6月15~16日に行われた第87回ル・マン24時間の決勝レース序盤にクラッシュを喫したローランだが、そんな彼をLMP2チームの強豪シグナテック・アルピーヌ・エルフ(2018/19年はシグナテック・アルピーヌ・マットムートの名でエントリー)が来シーズン、レギュラードライバーとして起用すると発表したのだ。
母国チームであり、スーパーシーズンのLMP2チャンピオン、さらにはル・マン2連覇中という望外ともいえる体制に迎えられるローランは、トヨタでも活躍したニコラ・ラピエールの後任を務めることになる。アルピーヌの名を冠したLMP2カーをシェアするのは、チームに残留するピエール・ティリエとアンドレ・ネグラオだ。
なお、シグナテック・アルピーヌを離れるラピエールは、2019/20年にELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズからWECにステップアップを果たす、クール・レーシングに加わることが予想されている。
「来シーズンもアルピーヌの下で、世界耐久選手権に参加できることをうれしく思う」と語るのは、シグナテック・アルピーヌ・エルフのフィリップ・シノー代表。
「次の世代(のエース)はトーマス・ローランになるだろう。彼が2016年にLMP2カーで最初のラウンドを迎えて以来、我々は長い間トーマスに注目してきた」
「今回、そんな彼と一緒に仕事をする機会が訪れた。近年、ニコラ(・ラピエール)と我々がともに築いてきた、同じ“精神”“意思”“血統”の継承を、フランス・スポーツカー界が誇る次世代のホープに頼れることをうれしく思っているんだ」