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14歳で嫁いだ少女が見出した希望とは ベトナム映画『第三夫人と髪飾り』10月公開決定

2019年06月18日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『第三夫人と髪飾り』(c)copyright Mayfair Pictures.

 ベトナムの女性監督アッシュ・メイフェアのデビュー作『The Third Wife(原題)』が、『第三夫人と髪飾り』の邦題で、10月11日よりBunkamuraル・シネマほかにて全国公開されることが決定した。


参考:場面写真はこちら


 メイフェア監督の曾祖母の実話をもとにした本作は、美しいベトナムの山間を舞台に、その地を治める大地主の第三夫人として14歳で嫁いでくる主人公メイと、彼女を取り巻く愛憎、哀しみ、希望を、美しく官能的に描いたエモーショナルで甘美なドラマ。


 舞台は、19世紀の北ベトナム。14歳のメイはその地を治める大地主のもとに、三番目の妻として嫁いでくる。一族が暮らす大邸宅には、唯一の息子を産んだ穏やかな第一夫人、3人の娘を持つ美しく魅惑的な第二夫人がいた。まだ無邪気だったメイは、この家では世継ぎとなる男の子を産んでこそ“奥様”になれることを知り、妊娠する。出産に向けて季節が流れる中、第一夫人も妊娠していることが発覚。時を同じくしてメイは、第一夫人のひとり息子・ソンと、第二夫人のある秘密を知ってしまう。


 メイフェア監督からはコメントが寄せられている。


アッシュ・メイフェア監督 コメント
私は個人の自立よりも伝統、歴史、共同体を重んじるベトナム社会で育ちました。
この物語のヒロインは、少女から大人の女性へ、さらには妻から母という様々な役割を持つアイデンティの旅へと向かいます。
本作は世界に通じる一般的な主題を持っていると信じています。いつの時代でも愛する人と引き離されることは悲劇です。個人の望みと属する社会の間で起こる葛藤は階級、人種、性別の差を超えて、それぞれの人生に影響を与えます。
こんなに発展した社会であっても少女も大人の女性も教育と機会不足によってまだ自分自身が本当に望む場所に立てていない人が多いことも事実です。
この映画は、私が実際に見てきた人々の人生をベースにしています。それはつらい歴史の一面でありながらも、同時に豊かさ、ユーモア、そして愛も官能もあったことが伝わることを祈っています。 (文=リアルサウンド編集部)