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SCB第4戦:バリチェロはギヤ不調で無念のDNS。ピケJr.は復調の連続シングル

2019年06月18日 09:51  AUTOSPORT web

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100%の週末とはならずも、2014年以来の戴冠に向けルーベンス・バリチェロは選手権2位をキープ
南米ブラジル最大の人気を誇るツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの2019年シーズン第4戦が6月8~9日に同国中南部のロンドリーナで開催され、前戦ペナルティに泣いたチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング)、リカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC)のふたりが雪辱のシーズン初勝利。選手権首位のダニエル・セラ(ユーロファーマRC)やルーベンス・バリチェロ(フルタイムスポーツ)はトラブルに泣き、ネルソン・ピケJr.(フルタイムスポーツ)は復調の兆しを見せる連続シングルフィニッシュを果たした。

 日本人とドイツ人移民が開墾した都市として知られるパラナ州ロンドリーナに位置し、アイルトン・セナの名を冠するトラックで開催された1戦は、前戦に続いてカミーロが3戦連続となる予選ポールポジションを獲得。

 前戦ゴイアニアではポールシッターでありながらジャンプスタートのミスを犯し、トップチェッカー後にリザルトが覆る苦い経験をしているだけに、34歳のカミーロはレース1で慎重を期してスタートを切りながら、穏当に首位をキープ。

 その後は2番手のフリオ・カンポス(プラティ-ドナドッツィ・レーシング)との神経戦が展開され、お互いにどれだけマージンを築くか、または削り取るかのタイムバトルが続くと、前戦の雪辱、そして初タイトルに向け執念を燃やすピットウインドウを前にベストラップ連発の走りでスパート。

 その直後、カンポスがチームメイトのバルデノ・ブリトー(プラティ-ドナドッツィ・レーシング)にかわされ3番手に陥落したこともあり、カミーロはピット作業後にも安定のトップランでコース復帰し勝負あり。

「この週末はとにかく落ち着いて、冷静に自分たちの仕事をすることに全力で集中した。それこそが重要で、この結果に結びついたと思う」と語ったカミーロが、ポール・トゥ・フィニッシュで今季初勝利を飾ってみせた。

 その背後にプラティ-ドナドッツィのブリトー、カンポスが続く表彰台となり、シリーズ連覇中の選手権リーダー、セラも手堅く4位フィニッシュ。強豪シムド・レーシングで2度のタイトル獲得経験を持つフェリペ・フラーガが5位に続き、予選8番手からふたつポジションを上げたピケJr.が4戦連続ポイント獲得となる6位に入った。

 続いて1時間のインターバルを経て争われたレース2は、R1トップ10のリバースグリッドが採用され、10位となっていたアッティラ・アブレウ(シェルVパワー・レーシング)がポールスタートに。

 しかしこのヒートで主役におどり出たのはレース1で7位に終わっていたセラの僚友マウリシオで、最初のヒート中盤から逆転ポディウムの望みが薄いことを悟ったチームは、ピットストップで多めの燃料補給を実施し、このセカンドレースではショートストップする目論見でセカンドロウ4番手からレースを進めていた。

 するとこの戦略がズバリとはまり、マウリシオはピットを終えてポジション一巡のところでアブレウをかわして首位浮上に成功。そのままレース1と同じ33周のレースを44分26秒で走破し、カミーロ同様ジャンプスタート裁定で4位を剥奪された前戦のうっぷんを晴らすシーズン初勝利を手にした。

「チームは本当に素晴らしい戦略を立ててくれた。レースを通じて完璧な仕事をしてくれたクルー全員に感謝したい。僕らは前戦で重要なポイントを失っていたし、今回の勝利は彼らの働きぶりに値し、その努力に報いるものになった」と、チームをねぎらった2008年と2013年のシリーズタイトル獲得者でもあるマウリシオ。

 続く2位表彰台にはR1リタイヤのトップ10圏外からニュータイヤを装着してファステストラップ連発で猛追したブルーノ・バプティスタ(RCMモータースポーツ)が入り、3位にアブレウの表彰台に。

 4位にはシリーズ唯一の女性ドライバーで、自己最高位キャリアハイとなったビア・フィゲレイド(イピランガ・レーシング)が入り、フラーガが連続の5位に。フル参戦2年目で「本当に良くなった。トラックを知ったことでセットアップが進み、クルマが劇的に改善された」と語るピケJr.は連続のシングルとなる7位に入った。

「まだ依然としてペースを改善する必要は残っているけど、開幕から連続でポイントを獲得し、この週末に続けてシングルフィニッシュできたのは悪くない。チャンピオンシップを終えたときにトップ5に入る目標を達成するためにも、この進化を続けたい」と語るピケJr.は、これでランキングでも10位に浮上している。

 そのピケJr.に続きR2で8位となったバリチェロは、レース1でのトラブルが週末の足を引っ張ったと振り返った。「そう、最初のレースでグリッドに向かうとき、マシンが5速にロックされてしまったんだ。機械的な問題というよりはシフター周辺の電気的なトラブルみたいだった。それでR2に集中せざるを得なかったんだ」と説明したバリチェロ。

 一方、選手権リーダーのセラもレース2を前に「何が起こったのかはわからないが、マシンがセーフモードに入った。電源を切ったり入れたりを繰り返して復旧を試みたが、歩くような速度で5mほど進んだところで息絶えたんだ」と、スタートすら切れず。

 これでセラはR2の終了を待たずにヘリコプターでサンパウロへと移動し、次週に控えるWEC世界耐久選手権最終戦、ル・マン24時間参戦に向けAFコルセのチームに合流するべくブラジルを発った。

 この週末の結果、選手権首位はセラで変わらず。7点差でバリチェロが続き、マウリシオ、カミーロがそれぞれ3位、4位にジャンプアップしている。続くSCB第4戦はブラジル南端、ウルグアイ国境にもほど近いサンタ・クルス・ド・スルで7月20~21日の週末に開催される。