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窪田正孝が『ラジエーションハウス』最終話で迎えた新たな門出 “約束の結末”は特別編へ

2019年06月18日 08:21  リアルサウンド

リアルサウンド

『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(c)フジテレビ

 甘春総合病院で働いたことで、かけがえのない仲間を手にいれた五十嵐唯織(窪田正孝)。『ラジエーションハウス』(フジテレビ系)最終話では唯織の新たな門出が描かれた。


 鬱ではなく低髄液圧症であることが発覚した杏(本田翼)の父、正一(佐戸井けん太)は意識障害を起こし急遽治療を早めることになった。杏は自分がやると申し出たものの、いざ治療が始まると緊張して思い切った処置ができない。そんな姿をみた唯織は、自分がやると申し出るのであった。そこに偶然通りかかった麗洋病院の医師が唯織の医療行為を見ていたため、甘春総合病院は医師法違反の疑いをかけられてしまう。唯織は医師免許を持っていたが、麗洋病院は規律を重視しない唯織を快く思わず、処分を要求するのであった。


 その一件が報道されてしまい、甘春総合病院は疑惑をかけられ、医師の派遣は打ち切りに、患者も激減することになる。そんな状況を見た唯織は、自分は迷惑をかけているだけだと甘春総合病院を去る決意する。もともとピレス教授からワシントンでの研究チームに招待されていた唯織はこれを機に、さらに高みを目指し”世界一の放射線技師”になると旅立つことを決めた。


 唯織の辞職を知らされていなかった杏は、唯織がいなくなったことを聞き、動揺する。辻村(鈴木伸之)は杏の手を引き、唯織を追いかけさせた。そこで杏と唯織は再会する。杏は、「あなたが手出しできないくらい、優秀な放射線科医になってみせます。だから……必ず戻ってきてください」と唯織に告げ、新たな約束を交わすのであった。


【写真】手術着姿の窪田正孝と本田翼


 唯織がさらなるキャリアアップに向かい、甘春総合病院の面々はそれを前向きに見送った。それぞれが「戻ってこい」というメッセージを込めた言葉で唯織を送り出す。居場所のなかった青年が、約束を守るためだけに努力してきた結果、これだけ多くの大切な仲間ができた。


 唯織は少し変わり者だが、まっすぐで前向きだ。むしろ、まっすぐで前向きすぎる故に変人なのだ。しかし甘春総合病院のラジエーションハウスは、唯織の”いいところ”を大切に伸ばしてきた。さらにそれぞれが唯織の良さを吸収して、誇りを持って働く放射線技師となる。医師陣もまた、唯織から影響を受けている。医師という立場に驕らず、真摯に患者や医療従事者と向き合う素直さを学んだ。最後に鏑木(浅野和之)は唯織に「戻ってこい」と言葉をかけ、傘を貸して別れる。貸すという行為には、必ず「返す」という行動がついている。鏑木は、唯織がまた「戻ってくる・返しにくる」ことを期待しており、そんな心中が内包されたシーンであった。


 幼い頃の約束は忘れられていた唯織だが、杏とも新たな約束を交わす。杏との約束を糧に努力してきた唯織にとって、その新しい約束がどれほど活力になることだろうか。また、杏は、正一の治療の際に唯織に甘えてしまったことを気にかけて後悔していた。杏にとっても、1つ大きな壁を乗り越え、また前を向いて歩き出せる大切な約束になっただろう。そして杏は、かつての唯織のように、唯織の後ろ姿を写真に納めた。


 作品終了後には2時間スペシャルの予告も公開された。来週もまた、唯織の活躍やラジエーションハウスチームのドタバタな日々に会える。まだ“ラジハロス”にならなくてすみそうだ。


(Nana Numoto)