フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、フェラーリの2019年型マシン『SF90』の弱点は、前戦カナダGPで突如として消えたわけではなかったと語った。
シーズン開幕前の時点では、フェラーリは他のチームに対して優位な立場に立っていた。しかしメルセデスが開幕から7連勝を飾ったことで、その優位性はすでに消え去ってしまっている。
パワーに関しては、フェラーリはメルセデスに対してアドバンテージを持っている。だがそれは、タイヤを有効に利用することに苦戦しているチームの苦労を相殺するできるほどのものではなかった。
ビノットは、カナダGPではジル・ビルヌーブ・サーキットのコース特性のおかげで、フェラーリの抱える弱点による影響は少なくなったものの、マシンの弱点は依然として残っていると考えている。
先週末ビノットは、「(ジル・ビルヌーブ・サーキットは)他のコースよりもパワーの影響を受けやすく、リヤタイヤに負担がかかる。バルセロナよりも、バーレーンに似たトラックだ」と話していた。
「ここに来れば、メルセデスに近づけるだろうとわかっていた。だがどれくらい近づくことができるのか、それについては何もヒントを掴んでいなかった」
「彼ら(メルセデス)と比べると、金曜日のパフォーマンスは厳しいものだった。だが週末を通してトラックの状況は改善されていき、グリップもよくなるので、我々はなんとかして弱点に対処した」
「しかし実際のところ、マシンはスペインGPの時とまさに同じだった。スペインGPのあとはアップグレードを投入していないし、我々の抱える弱点はまだマシンに残っている。単純なことだ」
「我々は作業に取り組み、改善する必要がある。カナダGPの後も、レースは続く。我々は戦い続け、彼らに挑み続けなければならない」
今シーズン使用されているタイヤは、2018年シーズンで使用されていたものよりもトレッドの薄いタイヤだ。もちろんカナダGP以降もこのタイヤが使われていくことになるが、フェラーリ今後試す予定のアップグレードの開発に懸命に取り組んでいる。
しかしビノットは、問題を解決するための“魔法の解決策”はないと述べた。
「我々はレース毎に、自分たち自身を向上させていかなければならない」
「この数レースで目にした問題に対処するために、我々はマラネロのファクトリーで複数のプログラムに取り組み始めた」