MotoGP第7戦カタルーニャGPで8位フィニッシュを果たした中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)。中上は予選で2019年シーズンワーストグリッドとなる16番手に沈んだが、決勝レースでは堅実に走り切り、トップ10圏内でチェッカーを受けた。
カタルーニャGPの初日を、中上は総合3番手で終えた。前戦イタリアGPで獲得したベストリザルト5位の流れを汲んだかのような好調なスタート。しかし、予選日では一転、苦戦を強いられる。
予選日は初日に比べ、コンディションが厳しい方向に変わった。時折小雨がぱらつき、路面温度も高くなかった初日に対し、予選日、特に予選セッションが始まるころには路面温度が49度にまで上昇。中上のみならず、全体的にタイムが伸び悩む難しいコンディションだった。
「(予選日は)路面コンディションは前日よりよくなりましたが、気温も路面温度も上がり、午後のフリー走行4回目、予選Q1は苦戦しました。セットアップもうまく決まらず、安定したラップも刻めませんでした」
Q1では最後のアタックでトップに浮上したものの、すぐにそのタイムは更新されてしまう。中上が獲得した16番グリッドは、自身にとって2019年シーズンワーストの予選結果だった。
中上はこの日、路面とタイヤのマッチングに苦しんでいたという。リヤタイヤのパフォーマンスをうまく引き出すことができずにいた。コーナー進入時のコントロールがうまくいかなかったため、コーナー進入ではスピードを落とさざるをえなかった。その影響がコーナリングスピード、さらにはコーナー立ち上がり速度にまで及び、コーナーでタイムを落とすことになってしまったのだ。
決勝レースは気温26度、路面温度は51度にまで上がり、週末を通じて最も厳しいコンディションとなった。レースは文字どおりサバイバルレースとなり、24台中、完走したのは13台。中上はそのなかで、3周目には8番手に浮上。一時は10番手に後退するも、終盤には再び8番手につけ、そのままチェッカーを受けた。
「今日はスタートがよく、序盤の数周もムジェロと同じくらいアグレッシブに走ることができました」と中上はレースを振り返っている。
「予選を終えた時点で、耐久性よりもグリップを優先するタイヤ選択とし、リヤにソフトを選択しました。そのため、スタート直後からリヤタイヤのマネジメントを心がけましたが、全体的にうまくいったと思います」
中上が選択したタイヤはフロントにミディアム、リヤにソフト。タイヤマネジメントしていくなか、厳しいコンディション下で、そのパフォーマンスは次第に失われていった。
「ラスト5周はさすがに厳しくなり、集中力を切らさないように最後まで走りました。今日は終盤にタイムを落としたのが課題となりましたが、レース中に、エンジンブレーキ、トルク調整をしながら走るという経験を積むことができました」
厳しい予選を経て、苦しい流れを断ち切り、難しいコンディションとなった決勝レースを確実に走り切った中上。「16番手というグリッドを考えれば、8番手でフィニッシュできたことはよかったと思います」と語った。