6月15日に行われた2019年WRC世界ラリー選手権第8戦イタリアの競技3日目。3台体制で臨むTOYOTA GAZOO Racing WRTは、総合3番手だったオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)がこの日行われた全ステージでトップタイムを刻む快走で総合首位に浮上した。
■トヨタ
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ3総合首位
「力強く戦えたと思うけど、本当に大変な1日だった。トップに立ち、リードを築くためハードに攻めなくてはならなかった。午前中のタイヤ選択は成功し、それもあって有利に戦いを進められたよ」
「クルマの調子は良く、自信を持って攻めることができた。午後は路面が荒れ、クルマの中も本当に暑かったね。タイヤのコンディションを気にしながらプッシュするのは難しく、簡単にパンクをしてしまうような路面だったけど、いいリズムを掴みクリーンな走りができたと思う」
「有利な順位につけているとは思うけど、明日は4本の難しいステージが残っているから、最後まで全力で戦い続けなければならない」
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ3総合22番手
「今日の目標は運転を楽しむことだったけど、出走順が1番だったのでそう簡単ではなかった。今朝は、出走順を考えるとタイムは良く、満足な走りができたよ」
「午後は、何か新しいことを試そうと足まわりのセッティングを硬めにしたけど、自分のドライビングスタイルに合わず、午前中と同じようなグリップを感じられずタイムも良くなかった」
「十分な自信を感じられない時は、ミスをしないように冷静さを保つべきだと理解している。明日は、今朝のセットアップに戻した上でファインチューニングを施してステージに臨み、パワーステージでのポイント獲得を狙うよ」
●クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ3総合8番手
「今朝は、そこそこいいリズムで走れていけど、自分が最後にこのエリアのステージを走ってから4年経っていたから、ところどころ思い切り攻められなかった。それでも、自分の前の有利な出走順のふたりとの差を、何とかキープすることができた」
「午後は走りのリズムがよくなり、最初の2本のステージは本当にうまく走れた。しかし、最後のステージの高速セクションで、道の真ん中あたりで何かに当たって衝撃を受け、ホイールのリムが曲がり空気が抜けてしまったんだ」
「このラリーは自分にとってもっとも難しいラリーになるだろうと覚悟していたけど、本当ならば明日は総合4位争いに加わっていたはずだから、とても残念に思う」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ3総合6番手
「今日はまったく期待どおりにいかない日だった。昨日よりも改善したところを見せたかったが、苦戦した。午前の走行は厳しいものになり、走行中も自信を持てなかった」
「僕たちのタイヤ選択はまたも理想的なものにはならず、その状況に耐えていかなければならなかった。過去の4戦や5戦では、走行中に大きな自信を持つことができていたが、このラリーでは自信が失われているんだ」
「イベント前のテストで十分な事前準備ができていなかったようだ。今日はセッティングとディファレンシャルを調整した。いくつか学べたこともあったけれど、本来いるべきポジションにつけることはできていないよ」
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ3総合5番手
「(総合)4位をめぐる戦いはうまくいっているし、快調だ。プッシュし続けるために必要なモチベーションも維持できているよ」
「今日はつねにベストなタイムを出せたわけではなかった。1回目の走行では、とりわけステージが滑りやすいコンディションだったから、金曜日(競技2日目)と同様に自信をもって走行するのが難しかった」
「このイベントには紙一重な側面がある。2回目の走行では(路面が荒れて)とてもパンクしやすいコンディションになるからね。終盤に僕のタイヤは磨耗しきっていたから、すごく慎重に進まなければならなかった」
「結果として、エルフィン(エバンス)に対してタイムをいくらか失ったけれど、明日は挽回するためにできることのすべてを注いでいくよ」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ3総合2番手
「今日もいい1日になったが、(オット)タナクのペースに追いつくことはできなかった。昨日の彼のパフォーマンスから、彼の速さは予想していたけど、そのとおりになったね」
「とはいえ、僕たち自身のパフォーマンスには満足している。十分に余裕を持って総合2番手の座を守ることができたからね。パンクを避けるために時には落ち着いて進まなければならなかった」
「それでも総合3番手との差はまだ対処できる状況だ。明日はできる限りプッシュしていき、今シーズン初の表彰台フィニッシュをものにするよ」
■Mスポーツ・フォード
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/デイ3総合4番手
「今日はいい1日だったよ。何カ所かでのスピードについては少々落胆したが、全体的にはとてもポジティブだったし、総合4番手に戻ることができた」
「明日はアンドレアス(ミケルセン)との戦いになると思っているから、最終ステージで(先行するマシンが巻き上げた)砂埃のせいでタイムを失ってしまったのは残念だった」
「ある区間はうっすらと砂埃が舞う程度だったけど、そのほかの場所では砂埃が厚く、完全にスローダウンしなければならなかった」
「結果がどうなろうとも、接戦になるからプッシュし続けていかなければならない。明日もまたトリッキーな1日になる。でも僕たちはベストを尽くすし、また強力な結果を出せることを願っている」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)/デイ3総合3番手
「今日のパフォーマンスは本当に満足できるものだったと思うよ。1日をとおして着実なパフォーマンスを出せたし、すべてのステージでトップ3につけることができた」
「ダニ(ソルド)とは今も十数秒の差があるが、(最終日に)どこまで追い上げられるかだね。できれば彼に追いつきたいけど、総合3位という結果も満足できるものだと思う」
「ヤルモ(レーティネン/コドライバー)との作業も本当に上手くいっている。今日、僕たちは14時間を車中でともに過ごした後も笑っていた。良いことだよね!」
■シトロエン・レーシング
●セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)/デイ3総合52番手
「午前中のミスにはがっかりした。そのせいで午後の走行で自分たちのパフォーマンスを試す機会が失われてしまった。できることをしようとしたけど、(午前中の)1回目の走行でフルスピードを出せなかったから、午後に速いタイムを出すことがほとんど不可能だったのは明らかだ」
「SS13がパフォーマンスを出せた唯一のステージだ。なぜなら1回目の走行を普通の状態で終えていたからね。そしてタイムもよかった。パワーステージで僕がいくつかポイントを獲得できるのは間違いないよ。たとえそれが不可能なミッションになりそうだとしてもね」
●エサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)/デイ3総合7番手
「形勢が少々不利になったひとつのステージは別として、今日は(ティエリー)ヌービルのペースについていくことができた。彼は僕たちよりも出走順が後で有利な状況にいたはずだから、とても満足している」
「C3 WRCでの走行は快適だったけれど、出走順からこれ以上のことができると期待することはできなかった」