2019年のWRC世界ラリー選手権は6月14日、第8戦イタリアのSS2~9が行われ、ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合首位に浮上した。トヨタ陣営はオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3番手につけている。
地中海のイタリア領サルディニア島を舞台に争われているラリー・イタリア・サルディニア。競技2日目となる14日は、有力ドライバーがアクシデントに見舞われる展開となった。
ランキング首位としてラリー・イタリア・サルディニアに挑んだセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)は、SS5走行中、左コーナーのイン側にあった岩に接触。ステアリングアームを壊してしまいストップ。修復を試みたもののデイリタイアとなった。
アクシデントの状況について、オジエは自身のTwitterで「完全に自分のミスだった」と説明している。
「かなりタイトな左コーナーでイン側を攻めすぎてしまい、大きな岩に接触、ステアリングアームを壊してしまった。完全に自分のミスだった」
「なんとか修復を試みたけど、それは叶わず、残念ながらリタイアするしかなった。ミスするなんて最悪な気分だけど、すでに次のラリーに向けて気持ちを切り替えているよ。この週末の戦いがどうなるかも楽しみだけど、僕たちに何かができるとは思えない」
オジエが姿を消したSS5を終えた時点で、総合首位はヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)、総合2番手にタナクが続き、トヨタがワン・ツー体制を構築する。
しかし、続くSS6、総合首位で臨んだラトバラがマシンを横転させるクラッシュを起こしてしまう。ラトバラとコドライバーのミーカ・アンティラは自力でマシンを起こして走行を再開したが、8分30秒近くをロスし、総合28番手まで後退。またフロントウインドウが割れたため、残りのステージをフロントウインドウなしで走行することに。
また、このSS6ではティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が「ペースノートについて誤解があった」ため、フィニッシュ直前でコースオフ。マシンフロント周りを破損している。
フロントウインドウなしでの戦いを強いられたラトバラだが、中断されたSS7を挟んで行われたSS8では、ステージ4位タイムを刻むなどペースを発揮する。
しかし、競技2日目最後のステージとなったSS9、ヘアピンの立ち上がりでコースオフすると、現場が急斜面だったこともありコース復帰が叶わず。デイリタイアを余儀なくされた。
有力ドライバーが相次いでアクシデントに見舞われるなか、ソルドは危なげない走りで着実にポジションアップ。SS6を終えた時点で総合首位に浮上すると、最終的に10.8秒のリードを築いて競技2日目を終えた。
「気温が高くて、車内(のクルー)とタイヤにとって本当にハードな1日だったけど、1日を通してペースを維持できた」とソルド。
「出走順が遅かったこともアドバンテージになったね。勝利を目指して戦い続けたいけど、後方のオット(タナク)は特に警戒しなくては」
ソルドに続く総合2番手は、このラリー・イタリア・サルディニアからコドライバーを変えて臨んでいるテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)。ソルドと11.2秒差の総合3番手にタナクが続いている。
トヨタの残る1台、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)はライバルよりラリー・イタリア・サルディニアでの経験値が少ないなかでの走行だったが総合6番手を確保。トミ・マキネン・レーシングで4台目のヤリスWRCをドライブしているユホ・ハンニネンは総合9番手につけた。
下位クラスを戦っている勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は、ロールバーが折れるアクシデントなどもありながら、WRC2クラス3番手で走行を終えている。
競技3日目となる15日(土)はSS10~15までの6SSが行われる。