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ル・マン24時間:TOYOTA GAZOO RacingもGRスーパースポーツでのハイパーカー規定参入を正式発表

2019年06月14日 21:11  AUTOSPORT web

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2020年以降のル・マン24時間に挑むTOYOTA GAZOO RacingのGRスーパースポーツのイラスト
6月14日、第87回ル・マン24時間耐久レースが行われているサルト・サーキットで、TOYOTA GAZOO Racingのプレスカンファレンスが行われ、2020-21シーズンからWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間の最高峰カテゴリーとして導入されるハイパーカー規定に、GRスーパースポーツ(仮称)で参戦することを正式に発表した。

 2020-21シーズンから始まるハイパーカー規定が14日朝にACOから発表されたばかりだが、直後のアストンマーティンに加えて、TOYOTA GAZOO Racingが発表を受けてこの規定に参入することが正式に発表された。TOYOTA GAZOO Racingは2018年にル・マン24時間のLMP1クラスを制し、悲願の初優勝を遂げたが、ハイパーカー規定にも携わることで、長期的にル・マン24時間に挑んでいくことが示されたかたちだ。

 ハイパーカー規定で使用されるのは、2018年のル・マンで発表された、これまでのWEC参戦の知見が活かされたGRスーパースポーツ(当時の名称はGRスーパースポーツ・コンセプト)。このプレスカンファレンスでは、ACOのピエール・フィヨン会長らが詰めかけるなか、友山茂樹TOYOTA GAZOO Racing Companyプレジデントが登壇。昨年GRスーパースポーツを紹介したことを振り返りながら、この車両でハイパーカー規定に臨むことを発表した。

「TOYOTA GAZOO Racingは、2020年秋から始まるシーズンでも、新しいレギュレーションの下、挑戦をし続けることを表明します。FIA、ACOによるレギュレーション策定のための惜しみない努力に感謝いたします」と友山プレジデント。

 プレスカンファレンスでは、すでに友山プレジデント、そしてトヨタ自動車の豊田章男社長が、小林可夢偉とともに富士スピードウェイでこのGRスーパースポーツの市販プロトタイプを試したことが映像で明かされた。友山プレジデントは「素晴らしいものでした」と明かしている。

 また、その後登壇した村田久武WECチーム代表も、「これまでル・マン24時間の歴史を築いてきたフェラーリやポルシェ、アウディのようにTOYOTA GAZOO Racingもル・マンの歴史を築きたい」と語り、GRスーパースポーツによる活動継続を喜び、さらにすでに発表されたアストンマーティンの発表をうけ、「アストンマーティンのようにル・マンで伝統をもつライバルと戦うことを嬉しく思っています」と歓迎の意向を示している。

 友山プレジデントは「この新レギュレーションにより、数々のマニュファクチャラーがWECおよびル・マンに参戦し、耐久レースがさらなる繁栄を迎えることを願っています。TOYOTA GAZOO Racingとしては、新たな時代の耐久レースでの激しい競争を通じて、レースチームとしてだけではなく、スポーツカーメーカーとしても、確固たる地位を築きたいと思っています」という。

 TOYOTA GAZOO Racingによれば「新レース車両は、2020-21年シーズン開幕前の適切なタイミングで走行テストを開始」するというが、参戦車両の名称および、ベース車両となるGRスーパースポーツの詳細についてはまだ非公開。友山プレジデントも発表会後、海外メディアの取材に対しても「まだ秘密です」と繰り返していた。

 現段階ではイラストのみが公開されているGRスーパースポーツだが、参戦時の姿はどんなものになるのか、そしてどんなパフォーマンスを示すのか楽しみなところだ。