6月14日、第87回ル・マン24時間耐久レースが行われているサルト・サーキットで、アストンマーティンのアンディ・パーマー社長が記者会見に臨み、14日にACOフランス西部自動車クラブとFIA国際自動車連盟から発表されたハイパーカー規定に、アストンマーティン・ヴァルキリーで参戦すると発表した。
「我々アストンマーティンにはやり残したことがある」
6月14日、2020-21年に向けたWEC世界耐久選手権での最高峰クラスに導入されるハイパーカー規定が、サルト・サーキットのレストランで発表されてからわずか1時間後。現地時間11時15分から開催されたプレスカンファレンスで、パーマー社長はこう切り出した。
アストンマーティンは長年LM-GTE Proクラスで活躍しているものの、近年総合優勝はない。そこへ導入されたハイパーカー規定に、アストンマーティンがレッドブル・レーシングとともに開発したヴァルキリーで2020/21年シーズンから参入することで「やり残したこと」である総合優勝を目指すことになったのだ。
ヴァルキリーは、アストンマーティン・レッドブル・レーシングの鬼才エイドリアン・ニューウェイとアストンマーティンのチーフクリエイターを務めるマレック・ライヒマン、COOのデイビッド・キングによって生み出されたハイパーカー。その価格は3億円と言われている。
このヴァルキリーを、F1のテクノロジーを使ったレース仕様とし、6.5リッターV12エンジンを搭載。勝利に向けて挑むとしている。
「WECとル・マン24時間は、世界最高のハイパーカーであるアストンマーティン・ヴァルキリーにとって最高の舞台になるだろう」とパーマー社長。
「ヴァルキリーは公道で最高のパフォーマンスを示すために作られているので、その次のステップとしてトラックを選ぶのは当然だろう。世界最高のレースをもつ世界選手権に参戦すること以外には考えられなかっただろう」
2020-21年シーズンの参戦に向けて、プレスカンファレンスでは「アストンマーティン・レッドブル・レーシングのF1ドライバーの起用はあるのか?」と聞かれたパーマー社長だが、「今のところは分からない」との回答に留まった。ただ、レッドブル・レーシングとの共同開発車両であるヴァルキリーだけに、レッドブルの関与も少なからずありそうだ。