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WRC:トヨタ、第8戦イタリア初日は総合3~4番手で好発進。連勝中のタナク「高い戦闘力を期待」

2019年06月14日 13:31  AUTOSPORT web

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オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
6月13日に行われた2019年WRC世界ラリー選手権第8戦イタリアの競技初日。3台のワークスマシンで挑んでいるTOYOTA GAZOO Racing WRTは、目下2連勝中のオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3番手、チームメイトのクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4番手につける好スタートを切った。

 タナクの2019年シーズン3勝目で幕を下ろした第7戦ポルトガルから1週間のインターバルを経て行われる第8戦イタリアは、地中海に浮かぶサルディニア島を舞台にしたグラベル(未舗装路)イベントだ。

 競技初日となる13日(木)には、サービスパークが置かれるアルゲーロの東北エリアで競技開幕前最後の走行チャンスとなるシェイクダウンが行われ、タナクが2番手、ミークが5番手、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が7番手タイムを記録している。

 競技幕開けとなるSS1は現地17時より、サービスパークの東側にあるモトクロス用サーキットを舞台に開催。このSS1は2台のマシンが同時に走行してタイムを競うスーパーSS形式で行われた。ステージ距離は2kmだ。

 タナクはシリーズチャンピオンを争っているセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)と同時にSS1を走行して、2分1秒のタイムを記録。総合首位につけたオジエには0.3秒届かなかったものの、総合3番手で走行を終えた。

 テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)と対決したミークは2分1秒1で総合4番手。残るラトバラはアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)と同時に走行し、2分4秒7で総合10番手だった。

 ラトバラは「スーパーSSではウォータースプラッシュを通過した後、ブレーキに少し問題が生じ」たため、タイムを伸ばせなかったと語っている。

 このラリー・イタリア・サルディニアには、トミ・マキネン・レーシングからトヨタの元ワークスドライバーであるユホ・ハンニネンもヤリスWRCで参戦。ハンニネンは総合14番手でSS1を終えている。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのテクニカルディレクターを務めるトム・フォウラーは「チーム全体として、朝のシェイクダウンはうまくいったと思う。内容はいつもと変わらず、システムをチェックし、準備してきたセットアップを再確認する程度ですべて計画通りに進んだ」とコメントしている。

「3回目の走行時にはラリー本番を想定し、タイヤの状態を考慮してペースを少し緩めて走った。そして、今晩の最初のステージでは、明日に向けて問題なく走り終えることが重要だった」

「サルディニアのステージは、前戦ポルトガルと少し違う特徴もあるが、路面の荒れ具合や高い気温という点においては同じように厳しく、注力すべきポイントは変わらない」

「最後まで安定して走り、信頼性を確保することが我々の目標だが、それさえ実現できれば、パフォーマンスも十分に得られると考えているよ」

 総合3番手につけたタナクは「クルマはポルトガルに近い仕様だから、このラリーでも高い戦闘力を期待している」と3連勝に自信をみせる。

「今晩のステージは特に問題なく走り終えたが、明日以降は厳しく、暑い週末になりそうだ。サルディニアは好きなラリーだし、どれだけステージが難しくとも、良いリズムさえ掴めれば運転を楽しむことができる」

「明日の金曜日は、ルーズグラベルに覆われた道を走るため特に難しい1日になると思うけど、今回もまた、土曜日以降のステージを良い出走順で走るため頑張って明日のデイ2を戦い、土曜日と日曜日は表彰台争いに加わりたい」

 前戦ポルトガルでは最終SSでクラッシュし表彰台を逃したミークは「気温が非常に高いから、きっと大変なラリーになるだろう。過去数年、自分はこのラリーでの経験が乏しく、ステージは幅がとても狭くテクニカルだから、スタートからフィニッシュまで、ミスなくクリーンに走ることが重要だ」と述べている。

 競技2日目となる14日(金)は、サービスパークが置かれるアルゲーロの東北部でSS2~9までの8SSが行われる。全8SS合計の走行距離は124.20km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は517.86kmとなっている。