6月12日に行われた、第87回ル・マン24時間レースのフリープラクティスでクラッシュを喫したデンプシー・プロトン・レーシングの99号車ポルシェ911 RSRが、15~16日に実施される決勝への出場を見合わせることになった。
必勝体制を期すプロトン勢の4台目としてLM-GTE Amクラスにエントリーしていた99号車ポルシェは、ジョイントするクローン・レーシングのオーナー兼ドライバーであるトレーシー・クローンが搭乗した12日のプラクティスの最中、ユノディエールのシケイン間でマシンが大破するクラッシュを喫した。
赤旗の原因にもなったこのアクシデントにより、クローンは病院に搬送され、その後、経過観察のためひと晩入院することに。
この間、ドイツチームは彼の復帰を見越してスペアシャシーでのニューマシンを組み上げていた。しかし、FIAの医師らがクローンに今後1週間レースイベントへの参加を控えるよう命じたのを受け、チームは今大会からの撤退を決定している。
14年連続出場を目指していた64歳のクローンは、ドクターの決定について次のように語った。
「私は安全に万全を期するFIAの決定を尊重する。来年もこの信じられないほど歴史的なレースに参加することを楽しみにしているよ」
「私が迅速かつ専門的な治療を受けられたことを、サーキットのメディカルオフィサーたちとル・マンの医療機関の方々に感謝したい。そしてもちろん、妻ローリーの献身的なサポートにもね」
「今回の『一時的なドライビング停止手順』は、過去に他のドライバーが大きなクラッシュを起こした際にもみられたもので、特別なことではない」
「参戦中止はクリスチャン・リード率いるデンプシー・プロトン・レーシングにとっては大きな失望だが、僕と僕のコドライバーとして、いつも一緒にル・マンを戦ってきたニクラス・ヨハンソンをサポートしてくれたチームメンバー全員の立派な努力に感謝したいと思っている」
デンプシー・プロトン・レーシングはクローンとシルバーランクのヨンソン、そしてポルシェワークスドライバーのパトリック・ロングの3名によって99号車ポルシェを走らせる予定だった。
しかし、ブロンズドライバーであるクローンを欠くことになったアクシデントは同チームに、ラインアップ内に1名以上のブロンズを起用しなければならないGTE Amクラスへの出場を妨げることとなった。このため、15日(土)の現地15時(日本時間22時)に開始されるWEC世界耐久選手権2018/19年第8戦ル・マンは、当初予定されていた62台から61台へと出場台数が減ることになっている。