トップへ

ベッテルへのペナルティに相次ぐ批判。ロス・ブラウンは「裁定に悪意はなかった」とスチュワードを擁護

2019年06月12日 19:11  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2019年F1第7戦カナダGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ), ルイス・ハミルトン(メルセデス)
F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、先週末のF1第7戦カナダGPでセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)にペナルティを科したスチュワードの裁定には“悪意”などないと主張した。

 FIAのスチュワードは今回のペナルティについて、ベッテルがトラックを外れて芝生に出たあとに危険な方法でトラックに戻り、その過程で2番手を走っていたライバルのルイス・ハミルトン(メルセデス)の走行を妨げたと述べた。

 その後5秒ペナルティを科されたベッテルとフェラーリは2019年シーズンの初優勝を奪われ、ハミルトンとメルセデスはその恩恵を受けることとなった。

 スチュワードの裁定はファンの間で騒動を引き起こしたが、元ドライバーや現役ドライバーたちの多くは、裁定は間違っており不公平なものだと考えている。

 ブラウンは日曜日のレースを評価する上で、「フィニッシュラインを最初に通過していないドライバーが、表彰台の最上段に上がるのを理解することが、ファンにとっていかに難しいことかは理解できる」と語った。

「それゆえ、特にF1のような複雑なスポーツにおいては、スチュワードの裁定を説明する際には透明性が重要なのだ」

「サッカーでは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されているものの、ハンドがペナルティを受けるべきか否かといった議論が今も行われている」

「スチュワードが裁定についてファンに説明し、どのようにして裁定に至ったかについて詳細を解説することができるような解決策について、FIAと取り組むことは有益かもしれない」

 しかし結局のところブラウンは、FIAのスチュワードの専門性と整合性を擁護した。カナダGPのスチュワードには、元F1ドライバーでル・マン24時間レースを5度制したエマニュエル・ピロが含まれており、彼はグランプリの週末にしばしばドライバースチュワードを務めている。

「私がはっきりさせたいことは、このような裁定に関して悪意のようなものはなんら介在していないということだ」

「そのことに同意するかもしれないし、そうはしないかもしれないが、各週末にスチュワードの役目を担う者は誰ひとりとして隠された意図など持っていないし、ファンはそのことを確信していい」

 日曜日のインシデントについてのブラウンの考えを知るのは興味深いものだが、彼は当然ながら独自の見解を表明することは避けた。

「裁定についての意見を述べることは控えたい。私の立場でそうすることは正しいことではない」

「私はスチュワードの仕事と彼らのプロ意識に大きな尊敬の念を抱いている。彼らはレース結果がペナルティによって決まるところを見たくないと一番に言うだろう」