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続く児童虐待「児相と警察の情報共有と連携を」 後藤弁護士、怒りの5回目要望書

2019年06月12日 17:41  弁護士ドットコム

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虐待防止に取り組むNPO法人「シンクキッズ」代表理事で、元警察官僚でもある後藤啓二弁護士は6月12日、東京・霞が関の厚生労働省で会見し、「虐待死を防ぐためには、すべての児童虐待事案について、児相と警察との情報共有と連携した活動が必要。子どもたちは児相だけではなく、警察からも守られたいと思っている」と訴えた。


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最近の事例としては、札幌市で6月5日、池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が衰弱死し、傷害の疑いで母親と交際相手の男性が逮捕される事件が起きた。報道によると、虐待があった疑いがあり、児童相談所(児相)と警察が関与していたが、後藤弁護士は両者の連携は不十分だったとみているという。



●情報提供される対象を「虐待が疑われるすべての事案」に

後藤弁護士はこの日の会見前に、児相と市町村、警察との全件情報共有と連携した活動をすることを求める要望書を厚生労働省に提出した。今回が5回目の提出になるという。



後藤弁護士は、政府の緊急対策(2018年7月20日)において、児相から警察に情報提供される対象が「虐待による外傷事案」に限られていることを問題視。



「(虐待がみつからないように)顔に怪我を負わせないように虐待している親もいる。最低限、情報提供される対象を『虐待が疑われるすべての事案』に改め、それを全国の自治体に示してほしい」と早急な対応を求めた。



●警察との連携、消極的な自治体も

ただ、「虐待には程度があり、程度の低いものは警察と連携する必要はない」「親との信頼関係が崩れる」などの理由から消極的な自治体もあるようだ。



後藤弁護士によると、北海道の児相は3月、道警との全件共有と、両者が連携しての活動が実現することになったが、詩梨ちゃんの事件が起きた札幌市では、児相は道警との全件共有を実施していないという。



後藤弁護士は「児相だけではなく、子どもや親と接する各機関が、多くの目で危険な兆候がないか見守るべき」と強調した。