ハースF1チームのケビン・マグヌッセンは、F1第7戦カナダGPの決勝レース中に、無線でチームに対する不満をぶつけたことについて、レース後に謝罪を行った。
土曜日に行われた予選のQ2終了間際、マグヌッセンは激しいクラッシュを喫してしまった。そのためチームは、日曜日の決勝レースに向けて新たなシャシーの組み立てに追われた。
これについてチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、マグヌッセンのマシンには通常とは異なるセットアップが施されていたことを認めた。
決勝レースをピットレーンからスタートしたマグヌッセンだったが、難しい戦いが待ち受けているのは明白だった。
ペースが上がらずに苦戦を強いられ、フラストレーションを抱えたマグヌッセンは、とうとう無線で「今までにこれほどひどい走りは、どのマシンに乗っていても経験したことがない。ただの一度もだ」とクルーにそのいら立ちをぶつけた。
するとシュタイナーは、その発言をそのまま受け入れることをせず、「それなら、つまり我々にとってもひどい経験ということだ。もう十分だろう。いい加減にしておけ」とマグヌッセンを叱責した。
シュタイナーは今回の問題全体について、その背景にある事情を次のように説明した。
「ケビンのマシンを作り直すにあたり、若干異なるセットアップを試した。というのもそれが可能であり、ピットレーンスタートだったからでもある」
「だがこれは、明らかに上手くいかなかった。今となってはそれが分かる。少なくとも我々はそのことを学んだ。あえて選択した方法だったが、マシンを悪くするつもりで選択したわけではない。マシンを良くするための試みが、上手くいかなかったということだ」
「レース終了後、彼は無線で全員に謝罪した。彼の方から(無線で)歩み寄ったのは良いことだった」
「誰もがいらいらしていた。スタッフは朝の3時まで働いていたのだ。暴言は彼らのモチベーションを損ねるし、状況の悪さについてそこでそれ以上議論する必要はなかった」
「私は、必要以上に彼らの士気が下がることを避けたかった」
「レース後にケビンが語ったのは、チームを批判する意図はなく、今ひどい状況にあるということを説明しようとしたが、誰を責めるつもりもなかったということだ」
「ただ無線を聞く側にすれば、そうした意図は分からないものだ。私には理解できても、クルーには伝わらない。彼らは全容が分かっているわけではないからだ」
「彼はみんなに謝った。大人の態度だと思う」