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WEC:グッドイヤー、世界選手権&ル・マン復帰へ。2019/20年シーズンからの参入を発表

2019年06月11日 17:31  AUTOSPORT web

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2019/20年のWEC&ル・マン24時間への復帰を発表したグッドイヤーのレーシングタイヤ
6月11日、グッドイヤーはWEC世界耐久選手権の2019/20年シーズンより、新開発のスポーツカータイヤを用いてル・マン24時間を含む同シリーズに参入すると発表した。

 グッドイヤーとモータースポーツの結びつきは強く、F1においては、通算368勝という歴代トップの勝利数を誇る。また、復帰を予定するル・マン24時間でも1970年代に5連覇を含む6勝、通算では14勝をマークしている。

 近年はグローバルシリーズへの進出はないものの、アメリカのNASCARでオフィシャルタイヤサプライヤーを務めるほか、同国で盛んなドラッグレースでは専用タイヤを供給。日本でもTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race、D1グランプリといったカテゴリーに参入している。

 そんなグッドイヤーが世界選手権へのカムバックを検討した際に、最初のステップとして選んだのがスポーツカーレースだった。前述のとおり、グッドイヤーはル・マンでの成功経験があり、また、北米のIMSAシリーズでも数十年間に渡って成功を収めてきた実績を持つ。

 グッドイヤー・モータースポーツのディレクターを務めるベン・クルーレイは今回の決定について、次のように述べた。

「(4時間から長くは24時間まで多岐にわたる)耐久レースの性質は、タイヤの選択と戦略が重要な意味を持つ。それは我々が誇る欧州イノベーションセンターの技術チームに、新たなレースへの挑戦と、開発に対するモチベーションを提供するものだ」

 老舗タイヤメーカーによれば、同社は1年以上前からドイツのハーナウ、ルクセンブルク・コルマール-ベルクのイノベーションセンターで最新ル・マンプロトタイプ用タイヤの開発を進めてきたという。

 また、この新型レーシング用タイヤの開発と製造は、最新のフラッグシップタイヤ『イーグルF1スーパースポーツ』の開発と並行する形で行われており、これによって市販車用タイヤとレーシングタイヤ双方のテクノロジーと、開発で得られた知識によるフィードバックが、異なるタイプのタイヤ両方のパフォーマンス向上につながっていることもあわせて明かされている。

 なお、今回の発表では現在、ミシュランとダンロップが参入しているWECのどのカテゴリーに参戦するのか、さらにどのチームがグッドイヤーユーザーとなるのかはアナウンスされなかった。

 しかし、グッドイヤーによれば2019年8月30日~9月1日、イギリス・シルバーストンで行われる2019/20年WEC第1戦シルバーストン4時間レースで、同メーカーのスポーツカー用タイヤがふたたび世界選手権にデビューするという。