2019年06月11日 17:21 弁護士ドットコム
川崎市登戸で5月28日、登校中の小学生らが殺傷されるという痛ましい事件が起こりました。事件が伝えられると、ネットでは同世代の子どもを持つ親たちに動揺が走りました。事件から3週間、いまだ多くの親が我が子の登校に付き添う姿がみられます。
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そうした中、登下校時の子どもたちを親として、どう守ればよいのでしょうか。また、普段から子どもにはどのように防犯について教えればよいのでしょうか。2006年から「子どもの安全ブログ」で日々、事故防止や防犯についての情報を発信しているセコムIS研究所の舟生岳夫・主務研究員にポイントを聞きました。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)
ーー大変難しい状況ではありますが、川崎の事件のように突然、誰かが襲ってきた場合、子どもたちにはどう対応するよう、教えればよいのでしょうか?
「今回の事件に関しては、集団でいたにも関わらず襲われたこと、声をあげずに近づいてきたので気づくことができなかったなど、おっしゃる通り完全な対策は大変難しい状況でした。
この場合、今考えられるポイントとしては以下のようなことがあげられます。
・どんな状況でも絶対安全だということはない。そこにどんな危険があるか想像することが大事
・常に周囲に気を配り『何か変だな』と感じた時にいち早く大人に知らせたり、安全な場所に避難したりする
・とにかく大きな声を出して周囲の大人に気づいてもらう」
ーー親は子どもの登下校でどのようなことに気を配ればよいのでしょうか?
「今回は集団でいる時に被害に遭いましたが、やはり『一人にならない』ことは被害を防ぐために非常に大切なことです。以下の点に注意が必要です。 ・できるだけ友達と一緒に歩く
・どうしても友達と別れて一人になってしまう場所までは可能なら親が迎えに行く
・一人で歩くときには、下ばかり見ていたりスマホを見ていたりせずに顔をあげて周囲に気を配ってきびきびと歩く
・人通りが無い、夕方になると暗いなど、人目につきづらい道を歩かない
・何かおかしいと感じた時には早めに助けてくれる場所(コンビニなど)に逃げる(一緒に通学路を再確認)」
ーー今回は朝の登校時にバス停で待っているところを狙われてしまいました。特に気をつけておきたい時間帯や場所はありますか?
「集団でいたことが被害の要因ではありません。一人よりは集団でいた方が一般的には不審者も手を出しづらいです。今回の事件をきっかけに集団登校が取りやめになったりすることが無いようにしてほしいです。
ただし、話に夢中になるなどして、外部に対する注意が薄れることもあり得ます。集団でいたとしても、外部への注意は続ける必要があります。
今回の件は逆になってしまいますが、やはり特に気を付けたいのは、一人になりやすい下校時刻や帰宅後に遊びに行くときです。場所としては、暗い場所や人通りが少ないなど人目に着きづらい場所になります」
ーー普段から子どもを怖がらせることなく、しかし危機意識を持ってもらうにはどうしたらよいのでしょうか?
「とにかく親子でいっぱい話をして下さい。テレビのニュースなどを通して『あなたならどうする?』という問いかけをして、子どもに考えさせることが大切です。
親が一方的に『こうしなさい、ああしなさい』といった命令は子どももききません。一緒に考えて『我が家のルール』を決めてください」