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ル・マン24時間:4人の日本人ドライバーも登場。公開車検2日目は注目GTEマシンが目白押し

2019年06月11日 14:11  AUTOSPORT web

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AsLMS王者としてル・マンに乗り込むCar Guy Racing。使用するフェラーリ488 GTEは昨年のワークスマシン
フランス、ル・マン市内のリパブリック広場で6月10日、ル・マン24時間レースの公開車検2日目が開催され、LM-GTEアマクラスに参戦する日本勢などが登場。集まった観客たちの前で車検やトークショー、記念撮影などが行なわれた。

 夜中には強い雨に見舞われたル・マンだったが、10日朝までにはそれも上がり、曇り空の下、2日目のプログラムがスタートした。この日は午前中から車検が始まり、前日予定されていながら姿を見せなかったシグナテック・アルピーヌ・マットムートのLMP2カーを含めた41台が、夕方までにリパブリック広場に登場している。

 日本勢では、MR Racingの石川資章が最初に登場。テストデーでの感触を聞くと、明るい表情を見せた。

「今年はフェラーリでも、ポルシェやアストン(マーティン)を直線で追い越すことができた。1周のラップタイムはいいと思う」

「ベストタイムはオリビエ(・ベレッタ)がオールドタイヤでマークしたものなので、セットアップは相当進んでいますよ。あとは、レースウイークのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)がどれだけ変わるか、というところでしょう」

 12日からの走行では雨交じりのコンデイションが予想されているが、「どうしても僕らブロンズ(カテゴリーのドライバー)というのは、状況にアジャストするのに時間がかかる。それを1周でも短くできるようにしたい」と、前向きな姿勢だ。

 続いてル・マン初参戦となるCar Guy Racingが登場。鮮やかなイエローのマシンは現地のファンやメディアの間でも注目度が高く、マシンが広場に登場するとさかんにシャッターが切られる。

「緊張感はないです。長いレースウイークなので、のんびり楽しんでいます」という木村武史は、「路面がスリッピーなので、初めてだとそこが難しいですね。ブレーキをロックさせちゃうのが怖い。ただ、まだ80%くらいで走っているので、4分00~01秒くらいのラップを刻んでいければいいかなと思います。まぐれでもいいので、表彰台に登りたいですね」と意気込みを語った。

■初参戦のケイ・コッツォリーノ、サルト・サーキットは「グリップがまったくしない」

 同じくカーガイから初参戦となるケイ・コッツォリーノは、木村と同じくサルト・サーキットの印象として路面のスリッピーさを挙げた。

「グリップがまったくしない、というのが第一印象。ただ、最初は力まずに、ゆっくりいこう、ゆっくりいこうと言い聞かせながらでもタイムは出ていたので、これはクルマがいいんだな、というのが結論です」

 Car Guyが使用する57号車は、昨年のル・マンでLM-GTEプロクラスに加わった52号車。つまりワークスカーであり、セットアップデータを蓄積するAFコルセのオペレーションもあって、最初から高いポテンシャルを発揮できているようだ。

 ケイは「あとはLMP1、LMP2のかわしかたと、スローゾーン、これの攻略法がまだ自分のなかでできていないので、そこを詰めていきたい。とにかく速く走って、木村さんも速く走れるようにアドバイスして……あとは生き残ることだと思います」と初ル・マンへの展望を語った。

 午後に入ってからはBMWチームMTEK、AFコルセとLM-GTEプロのワークス勢が続々と登場し、徐々に観客の数も増えてくる。

 そんななか、デンプシー・プロトン・レーシングからル・マンに初参戦する星野敏が車検場に登場。石川やカーガイのふたりとは対照的に、若干緊張感が混じる面持ちが印象的だった。

 ポルシェカップカーでのサルト・サーキット走行経験はある星野だが、LM-GTEマシンでの走行は「スピード域が高いので、探り探り……という時間が少し長くかかっています」という。
 
「水曜からの走行で、またいろいろ試したいと思います。目標は完走、ノースピン・ノークラッシュというのが最低限。チームに迷惑をかけないようにしたいと思います」と表情を引き締めた。

 夕方に向けて晴れ間も増えていくなか、この日最大の注目株、特別カラーをまとったフォードの5台が車検場に登場すると、多くのメディアがローディングエリアに集まり、マシンを取り囲んでいた。

 明日11日はサルト・サーキットに戻り、朝から出場ドライバー全員を集めての写真撮影、夕方にはオートグラフセッションなどが行われる。レースウイーク最初の走行セッションは、12日の16時(日本時間23時)にスタートとなる4時間の公式練習だ。