金融庁が「夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの世帯が30年生活するのに年金以外に2000万円必要」と発表したことを受け、6月10日の参院決算委員会では野党が安倍総理を厳しく追及。激しい論戦となった。
同日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)では、マツコ・デラックスさんが金融庁の発表について、「どういう意味なんだろうって、ずっと考えてたんだけど」として、
「これはもう、年金制度ってものは崩壊するんですよ、っていう発表と一緒だよね」
などとコメント。今後の年金制度のあり方について持論を語った。(文:okei)
「大変なことになるから言えないけど、将来的には無くしたいのよ」
マツコさんは困惑顔で、「かといって年金払うなっていうのも違うし。いま払ってる年金は戦争や戦後の貧しかった日本で苦労した人のために払うんだと思って」と、今の高齢者に払うのは仕方ないとした上で、「将来はなくなるんだと思うよ」と推測している。
「だからどう無くしていくかだよね。無くなるとは言えないから、言ったら大変なことになるから言えないけど、将来的には無くしたいのよ(政府は)。年金のない国っていっぱいあるわけだからさ。どうそれに着地させていくのかっていう段階で」
と語り、「でも2000万円用意しろって急に言うのは、あまりにも乱暴だよね」と感想を述べた。
株式トレーダーの若林史江さんが、「年金を設立したときにはこれだけ平均寿命が伸びるとも少子高齢化になるとも思わなくて、誤算だらけだったんだろうね」と話すと、マツコさんは間髪を入れず、「でもそれを言ったらさ、すべてのものが誤算じゃない、計算て。だから(間違いを)認めないと」と指摘。さらに、
「そういう意味ではやっと本格的に議論が始まったというか、誰かが議論しなきゃいけなかったのに今まで先延ばしでやってきたわけだから。議論になってないけどね、今やってる内容は」
と、国会の議論に対して厳しい評価も付け加えた。
「一人1200円支給、ってなるかもしれないわけじゃん?」
若林さんは、「医療費の問題もそうだけど、団塊世代や団塊ジュニアがごそっといなくなると、もしかしてもう一回健全化する可能性はあるのかな?もらう人数と支える人数とが均等化していったときに」と問いを挟んだが、マツコさんは、
「戻るって言ってもその前に、維持できなくなるよ、いっぺん。どう考えても、あたしらの世代が団塊ジュニアだけどさ、40後半前後の人たちが、そう(高齢に)なったときに誰が払うんだ?って言ったら、絶対誰も払わないじゃん、そんなの」
「一人1200円支給、ってなるかもしれないわけじゃん?だからもうそれは、崩壊するって思ってたほうがいいんだと思う」
とキッパリ。最後に厳しい表情で「だから、そうなると払いたくないって思っちゃうよね。だから難しいよね」と声を落としていた。マツコさんの意見はあくまで推測だが、「2000万円貯蓄せよ」が公的年金に対する国民の不安を一気に加速させたのは確かだ。
10日の参院決算委員会で安倍総理は、立憲民主党の蓮舫副代表から「(日本は)老後に2000万円ないと行き詰まる、そんな国なんですか」と追及され、「不正確であり誤解を与えるものであった」などと弁明に追われた。