トップへ

ル・マン24時間:LMP1では8年ぶり。ドラゴンスピード、WECラストレースでガルフカラーに

2019年06月11日 12:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

6月10日に行われたル・マン24時間の公開車検2日目に登場したドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソン
LMP1プライベーターのドラゴンスピードは6月10日、WEC世界耐久選手権に投入している10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソンの新しいカラーリングを発表。伝統のガルフカラーをまとった車両が、ル・マン市内のリパブリック広場で行われている公開車検に登場した。

 ドラゴンスピードは2018/2019年“スーパーシーズン”から、LMP1クラスのニューカマーとしてWECにフル参戦しているプライベーターチームだ。ベン・ハンリー、ランガー・バン・デル・ザンデ、オーナー兼ドライバーのヘンリク・ヘドマンの3名をレギュラードライバーに起用して13カ月におよぶシーズンを戦ってきた。

 しかし、チームはシーズン最終戦の2019年ル・マン24時間を前にした今年5月、第8戦ル・マンを最後にWECから去ることを発表。今後は2019年シーズンから参戦を開始したNTTインディカー・シリーズに力を注いでいくとアナウンスしている。

 そんなドラゴンスピードがシリーズに投入している10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソンは、同チームにとってWECラストレースとなる第87回ル・マン24時間で、ガルフカラーをまとう。ル・マン24時間のLMP1クラスにガルフカラーのマシンが登場するのは2011年以来、8年ぶり。前回のマシンはアストンマーティン・レーシングが走らせた『アストンマーティンAMR-One』だった。

 公開車検に登場したドラゴンスピードのLMP1カーには、ブルーのベースカラーにオレンジとネイビーのストライプで構成される伝統的なカラーリングが施され、車両側面にはアメリカンチームオリジナルのスターマークが追加されている。

 ドラゴンスピードのエルトン・ジュリアン代表によれば、ガルフとのスポンサーシップは今戦のみ、1回限りのものであるといい、2020年も引き続き活動を行う予定のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦するオレカ07が同様のカラーリングに変更される予定はないという。

■「『BR1』の信頼性についてはよく分からない」とバン・デル・ザンデ

 ヘドマン、ハンリーとともに10号車BR1・ギブソンをドライブするバン・デル・ザンデは、チームが最後のレースに向けて慎重なアプローチをとっていると述べた。

 彼らは昨年、同様のパッケージで初めて伝統の耐久レースに挑んだが、スタートから16時間過ぎにクラッシュ。リタイアを喫している。

 バン・デル・ザンデによると、チームは2日に行われた事前テストでトラブルを抱え、走行時間を失ったという。

「(2018年と比べて)クルマはずっと良くなっていると思うが、信頼性についてはよくわからない」とオランダ人エースは語る。

「ほとんどの部品は最後のレースに向けて新品に交換している。テストデーではギアボックスが壊れたが、それは耐用マイレージが大幅に超えたものを使っていたからだ」

「今週末のレースでは新品を使いたかったので(多少時間を失うことになったが)、賢いサイクルができたと思う。クルマの信頼性が僕たちのレース展開に大きく関わることが予想される。だが、この問題に直面しなければ、我々がやることはシンプルだ」

「トヨタは彼らだけのリーグにいる。他のLMP1プライベーターは我々よりも少し良いラインアップを持っている」

「だから、僕らはこれまでどおりのことを続けていくだけだ。クルマを労りながら100%から少し低いところで走り続けていれば、いい結果を得られるかもしれない。それが我々がやるべきことだと考えているんだ」