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三浦大知、NEWS、sumika、ビッケブランカ、超特急……男性ボーカリスト新作の色とりどりな表現

2019年06月11日 10:21  リアルサウンド

リアルサウンド

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 モデルや作曲家として活躍しているKōki,作曲の楽曲を含む三浦大知のニューシングル、パーティーチューンとラブソングを収録したNEWSの両A面シングルなどを紹介。愛らしさ、セクシーさ、切なさなど、色とりどりの表現をたっぷり含んだ男性アーテイストの歌を堪能してほしい。


(関連:三浦大知が語る、ソロデビュー13年の変遷と未来 「日本の音楽の面白さが世界に伝わったら」


 センターステージを初採用した『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018-2019 ONE END』の追加アリーナツアーの記憶も新しい三浦大知の25枚目のシングルは『片隅 / Corner』の両A面。ドラマ『白衣の戦士!』(日本テレビ系)挿入歌としても話題の「片隅」は、作詞・三浦大知、作曲・Kōki,、編曲・UTAのコラボレーションによるミディアムバラード。静謐にして美しい旋律、“大切なものを失ったときの後悔”をモチーフにしたリリック、ピアノ/ストリングスを交えた凛としたトラックメイクが溶け合い、切なさと色気をたっぷり含んだボーカルの魅力を引き立てている。新世代のクリエイターと積極的にタッグを組むことで、アーティスト/シンガーとして新たな表現にトライするーー今や日本のエンターテインメントを象徴する存在となった三浦大知は、これまでとは違うフェーズに突入しつつあるのかもしれない。


 アルバム『WORLDISTA』(2019年2月)に続くニューシングル『トップガン / Love Story』は、NEWSの幅広い音楽性を端的に示す2曲を収録。まず「トップガン」は、軽やかなギターカッティングから始まるアッパーチューン。ブラスセクション、ストリングスが派手に鳴り響き、恋が始まった瞬間のきらめきを描き出す歌が心地よく広がる。メンバーそれぞれの個性を際立たせながら、四声のハーモニーとユニゾンをバランスよく振り分けたボーカルアレンジも見事。「Love Story」は、ピュアな恋愛感情をテーマにしたラブソング。ヒップホップ的なスタイルを取り入れ、大切な人への思いを真っ直ぐに映し出している。間奏では、ドームツアー『EPCOTIA -ENCORE-』で収録されたファンの歌声ともにメンバーがメッセージを伝える演出も。


 2ndフルアルバム『Chime』を携えた全国ツアーを開催中のsumikaから、早くもニューシングル『イコール / Traveling』が到着。TVアニメ『MIX』(日本テレビ系)のオープニングテーマ「イコール」は、躍動感にあふれたバンドサウンドと豊かな旋律を響かせるストリングスを軸にしたナンバー。理想の自分に近づきたいという思いを込めた片岡健太(Vo/Gt)のボーカルからは、優れたポップスに不可欠の“切なさとエモさ”がたっぷりと伝わってくる。ブラックミュージックのエッセンスをさりげなく織り込んだ「Traveling」のテーマは“本当の幸せとは?”。ストーリーテリング(彼氏の浮気の証拠を発見! そのとき彼女は……)とメッセージ性を同時に描き出す味わい深い楽曲だ。初回盤にはライブ音源も収録。現在のsumikaの魅力がバランスよく感じられるシングルである。


 昨年11月に発表した2ndフルアルバム『wizard』で色彩豊かなポップワールドを表現し、若きポップマエストロとして存在感を示したビッケブランカのニューシングルの表題曲「Ca Va?」は、様々な音楽の要素を融合させたハイブリッドなナンバーに仕上がっている。冒頭はQUEENの「ボヘミアン・ラプソディ」を想起させるピアノバラード(しかも歌詞はフランス語+日本語)。オペラ風のハーモニーが聴こえた瞬間、〈C-C-C-C-Cmon Ca Va?〉というコーラスとともにテンポアップ。ファンク~ソウルのエッセンスを交えたバンドグルーヴとともに、しなやかな美メロが放たれる。起伏に富んだ旋律をファルセットを巧みに使いながら描き出し、〈上上上機嫌で攻めたいかも/そう決めて走りだそう〉というメッセージをしっかりと手渡すボーカルも絶品だ。


 CDデビュー7周年を迎えた超特急のニューシングル表題曲「Hey Hey Hey」は、自身最大規模の全国ホールツアー『BULLET TRAIN SPRING/SUMMER TOUR 2019 「EUPHORIA ~Breakthrough, The Six Brave Stars~」』のテーマ曲として制作された楽曲。まるでファンファーレのようなホーンセクション、しなやかなファンクネスをたたえたサウンド、セクシーで雄々しいボーカルがひとつになったこの曲は、これまでの超特急のイメージを気持ちよく裏切るダンスナンバーだ。大人っぽい表情から可愛げのあるポージングまで、メンバーの様々な顔を楽しめるMVもあわせて楽しんでほしい。全6形態の【メンバーセンター盤】にはそれぞれのセンター曲を収録。メンバー個々のキャラクターを堪能できる。


■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。