スーパーバイク世界選手権(SBK)第6戦ヘレスに、モリワキ-アルティア・ホンダ・チームからふたりの日本人ライダーが参戦した。代役参戦した高橋裕紀はレース2で13位フィニッシュ。3ポイントを獲得した。
■SBK初参戦の高橋、レース2でポイント圏内フィニッシュ
第6戦ヘレスで清成とともにモリワキ-アルティア・ホンダ・チームから参戦した高橋。レギュラーライダーのレオン・キャミアが第5戦イモラのスーパーポールで喫した転倒により、左肩を負傷。キャミアの代役として参戦することになった。
高橋にとってSBKは初参戦。しかし、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでのレース経験はMotoGP、Moto2参戦時代に培ったものがある。
レース1は13周目に1コーナーで転倒を喫してリタイア。幸いにも高橋自身に怪我はなく、マシンのダメージもひどいものではなかった。日曜日に実施されたスーパーポール・レースでは14位完走。続いて行われたレース2ではポイント圏内の13位でチェッカーを受けた。
「全体的にはポジティブな週末だったと思います。結果は期待したものではありませんでしたが、バイクのセットアップに関してはチームとともに組み上げることができました」
日曜日のレースでは、土曜日の経験と収集したデータが役立ったという。
「昨日、経験したこととデータを見て、セットアップを変更することにしました。結果、フィーリングもスピードもよくなりました。また、違うスペックのリヤタイヤを選択したところ、グリップがよくなったんですよ」
スーパーポール・レースではすでにその速さを実感できていたという高橋。「レース2ではもう少し小さな改善を施しました。ポイント圏内でフィニッシュできて、いい週末になったと思います」と、コメントからもレースのたびに着実に前進していった様子をうかがわせた。
■清成は初のヘレスでのレースに苦戦
清成龍一にとって、スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでのレースは今回が初。ヘレスでSBKが開催されたのは2013年からで、2018年は一度カレンダーから外れたものの、2019年に復活した。清成が2019年以前にSBKに参戦した最後のシーズンは2010年。ヘレスでSBKが開催する以前のことだったのだ。
清成はスーパーポールで19番手と苦戦。続くレース1は17位フィニッシュだった。
「今日の結果はねらっていたところからはほど遠いものでした」と落胆をあらわにする清成。第6戦ヘレス以前、5月29日、30日にイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われたテストで、いくつかのセットアップを見つけており、それが3回のフリー走行でわずかながら改善につながったという。
「午前中はペースもコンスタントで、バイクの感触も悪くありませんでした。しかし、レースではグリップ不足とブレーキングに悩まされました。厳しいレースでしたね」
翌日に行われたスーパーポール・レースでも17位フィニッシュ。レース2では14番手走行中の18周目、11コーナーで転倒を喫する。この転倒によりコース上にグラベルの砂利が散ったことから、レースは赤旗が提示され、そのまま終了となった。
「転倒したことは決してよくないことですが、レース2ではずっと激しく攻め続けていました。今週末で最も速かったと思います。これはよかった面ですね」
「一方、今週末は浮き沈みがありました。特に今日の午前中、スーパーポール・レースでは変更したことが期待どおりにいかなかったんです。けれど、同時に多くの有益な情報を得ることもできました。最終的には、しっかりと作業し、データを分析することで僕たちはよい方針を見つけることができたと思います」
ここまで苦戦が続くモリワキ-アルティア・ホンダ・チームだが、レースのたびに蓄積してきたデータと経験、そして今回の高橋という新しい視点のフィードバックを次戦で活かしたいところだろう。