2019年F1カナダGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは、キャリア78回目、今シーズン5回目の優勝を飾った。
ハミルトンは2番グリッドからユーズドミディアムタイヤでスタート。28周目にハードに交換する1回ストップ戦略で走った。ハミルトンはレースをリードするフェラーリのセバスチャン・ベッテルの後ろを走り続けたが、48周目、ベッテルがターン4で芝の上に飛び出すというミスを犯した。
さらにベッテルはコースに復帰する際、ハミルトンをウォールぎりぎりまで押しやるような形になったため、審議が行われた。スチュワードは、ベッテルは安全でないやり方でコースに復帰したため、ハミルトンは接触を避けるための行動を取らなければならなかったとして、ベッテルに5秒のタイムペナルティおよびペナルティポイント2を科した。
ハミルトンはベッテルを追い続けたが、オーバーテイクには至らず。しかし首位ベッテルから5秒以内の差でフィニッシュしたため、勝利はハミルトンのものとなった。
なお、メルセデスチームは、日曜朝、ハミルトン車にハイドロ系のリークがあり、修理のため膨大な作業にあたったと明かした。「レースに出られるのか、完走できるのか、分からない状態だった」とチーム代表トト・ウォルフは語っている。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
感謝の気持ちでいっぱいだ。金曜にクラッシュをして、ライバルたちに遅れをとり、今朝はエンジンに問題が発生したんだ。でもチームのみんなが頑張って直してくれた。だから、彼らのために走り、できる限りいい結果を持ち帰りたかった。
このコースは前のマシンにぴったりくっついて走るのが簡単ではない。だから、セバスチャンにひたすらプレッシャーをかけ続けて、彼がミスを犯すのを待った。そしたら彼はミスをした。
もちろん、コース上で彼をオーバーテイクして、正しい形で勝ちたかった。そのためにフィニッシュの瞬間までプッシュし続けたよ。でもタイヤが終わってしまい、無理だった。
今週末、フェラーリは素晴らしい仕事をした。彼らのマシンはストレートがとにかく速かったし、セバスチャンもとてもいいレースをしたと思う。だからこそ、彼らについていこうとするなかで、僕自身、ベストの力を発揮することができたんだ。
いい気分ではないし、正直な話、こういう形で優勝したいと思うわけがない。でも、僕も全身全霊で走った。それは自分のチームに誇りに思ってもらうためだ。彼らにそう思ってもらえたと感じている。