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ル・マン24時間:公開車検初日に“王者”トヨタ登場。中嶋一貴&小林可夢偉が意気込み語る

2019年06月10日 13:11  AUTOSPORT web

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車検後、恒例のリパブリック広場での記念撮影に臨んだTOYOTA GAZOO Racingの面々
6月9日、ル・マン市内のリパブリック広場にて、第87回ル・マン24時間レースに先駆け、公開車検初日が行なわれた。

 2日間に渡って行なわれるル・マンの公開車検は、マシンや装備品のチェックだけにとどまらず、ドライバーのトークショーやおなじみの記念写真撮影なども合わせて行なわれることから、市街地中心の広場で開かれる“お祭り”の趣がある。
 
 正午頃までは人気もまばらだったリパブリック広場だが、14時の車検開始には例年どおり多くの観客が集まり、“フレンチ・エンデュランス・クラシック”の幕開けにふさわしい華やかさを演出。ドライバーたちもサインや写真撮影を求める観客に和やかに応じるなど、柔らかな雰囲気のもとル・マンウイークがスタートした。

 特別カラーで彩られたLM-GTEプロクラスのポルシェ4台がまずは観客の注目を集めたあと、早くも優勝候補であるTOYOTA GAZOO Racingの2台が登場。
 
 テストデーをトップタイムで終え、その後ヨーロッパ内で小旅行に出てリフレッシュをしていたという8号車トヨタの中嶋一貴は「クルマは問題なく走っていますし、ドライバーもちょっとずつリズムを取り戻しながら、という感じです」とここまでの状況を語る。

 今週水曜、木曜の予選日は雨絡みとなりそうな予報だが、「テストデーはすごく暑かったんですが、今週はまたコンディションも違うと思うので、その都度、タイヤ選択などもレースに合わせて調整が必要ですね」
 
「とにかく、相手どうこうよりは、自分たちのやるべきことに集中して、戦っていくことが大事になると思います」

 一方、前戦スパでは「勝てたレースをトラブルで落としてしまった」という7号車トヨタの小林可夢偉もまた、「落ち着いて、失敗なく、24時間をやりきること。どんなコンディションになっても、焦らず、平常心でやりきったら、その先に優勝があると信じてます」と初優勝への期待を語った。

■レベリオンのロッテラー、新空力パーツは「昨年よりもダウンフォースを感じる」

 8号車をどれくらい意識しているかと尋ねると、「別に意識はしていない。でも、本音で言えば『勝たせてくれよ』というところ。僕ら、普通にいけばチャンピオンシップ的には目がないので。スパであのままいけば、ここで最後バチバチになるはずだったんですが、今回はそういうシチュエーションでもないし……」と、現在の得点差も踏まえた“希望”を口にした。
 
 とはいえ8号車も当然ながら勝利を狙いにきているわけで、現実的にはミスやトラブルを抱えた方が勝利から遠のく、と考えていいだろう。

 このあと車検にはLMP1のレベリオン・レーシングも登場。あっと驚くニューカラーリングを披露し、観客の度肝を抜いた。

 1号車レベリオンR13をドライブするアンドレ・ロッテラーは、レベリオンが投入した新空力パッケージについて「昨年よりもダウンフォースを感じる。今週の走行で、テストデーからさらにセットアップを改善できたらと思っているよ」と語る。
 
 ライバルと目される同じくLMP1プライベーターのSMPレーシングに関しては、「彼らも、とてもよくなってきているよね。同じようなパフォーマンスのところにいるように思うけど、テストデーの彼らはセクター2の直線区間で強かった。決勝では重要なセクターではないけれど、彼らのパフォーマンスには注目していきたいし、いいバトルができればいいね。前の方(=トヨタ)とは、“ノー・ファイト”だから」

 この日の車検は22台で終了。残る40台は、明日10日に登場する。BMW、アストンマーティン、フォードらのLM-GTEプロ勢に加え、LM-GTEアマに参戦するCar Guy Racingなどの日本勢もリパブリック広場に姿を見せる予定だ。

 なお、公開車検の模様はYouTubeでライブ配信されており、遠く日本からもその様子を視聴することができる。車検2日目、10日(月)の実施スケジュールは10時から18時まで(日本時間17時~25時)となっている。