2019年06月10日 10:51 弁護士ドットコム
勤務時間外におこなわれている「朝礼と清掃」に残業代がつかないーー。先日、弁護士ドットコムのLINEに寄せられた情報を元にした記事(https://www.bengo4.com/c_18/n_9638/)を公開したところ、読者から多くの反響がありました。
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記事で紹介したのは、長らく職場で、始業時間前の5分間朝礼と終業時間後の5分間清掃がおこなわれていたという男性の話です。残業代は支払われておらず、「その話題に触れるのはタブーのようなもの」と話していました。
これに対し、弁護士ドットコムのLINEには、「始業前1時間前から準備をしなければいけない」「お金より気持ちが先」など、様々な声が届きました。
「在職する病棟は、8時半始業ですが、準備のために7時半過ぎに出勤してくるスタッフが多いです」。こう話すのは、関東で介護福祉士をしている40代女性です。
始業後すぐに患者の状態を見始めるため、その前までに薬や点滴の準備を終えていなければならないそうです。早い出勤ができない人の分の準備は放置され、悪口まで言われるため、「それが嫌で早く出勤しているのが本音です」と打ち明けます。
医療業界は始業時間前に事前準備するところが多いのでしょうか。こうした声は他にも届きました。
岐阜県の病院で看護助手をしている50代女性は、8時半始業ですが、看護師が仕事できるように細かな準備が必要なため、8時から仕事をしています。以前、ギリギリに出勤した際には「社会人なんだから、30分より前に出勤するのが常識だろう」と怒られたそうです。
一方で、「時代が変わった」と話す人もいました。
横浜市の50代男性は、機械加工の仕事をしていた20年ほど前、始業前に機械の周りの清掃をしていました。
「それが当たり前でした。5分じゃなく15分はやっていましたね。別に請求する気持ちにもならなかったです」と当時を振り返り、「今は時代が変わったのかなぁ。お金より気持ちが先でした」と言います。
経営者側からの声も届きました。
コンビニを経営する京都府在住の40代男性は、「朝礼や体操は良い慣習。日々の業務を潤滑に進める為には一体感が必要だと思います」とした上で、「強制的にはしてはいけないと思いますが、心遣いは大事だと思います。今の働き方改革の流れの中でなら勤務時間に含めたほうが良いのかもしれません」と話します。
前回の記事で、髙田英治弁護士は「会社の指示命令により行われていたのであれば、労働時間に該当するので、特段の事情のない限り未払賃金を請求することができる」と解説していました。
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