6月14日、劇場アニメ『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』が公開される。
『マクロス』シリーズ、『アクエリオン』シリーズで知られる河森正治が総監督を担当し、自身初となるゲーム原作の映画化に挑戦。
バベルの塔を臨むバベル大陸を舞台に、ゲーム原作ストーリーのその後を描いたオリジナルストーリーが展開される。
そんな本作の公開を記念し、アニメ!アニメ!はサテライトスタジオの見学をさせていただくことに!
本記事では、その模様を紹介していく。
■数々の名作を生み出してきたサテライトはこんなところ!
我々を迎えてくれたのは、スタジオ内に鎮座する巨大なアクエリオン! サテライトに来たなぁ……と感無量な気持ちに。
ワークステーションがズラリと並んでおり、作画スタジオとは全く違う様相。
スタッフの方にまず案内していただいたのが、サテライト本社6階にあるデジタル部。
こちらでは、3DCGチームが作業を行っている。サテライト作品の肝でもある、3DCGをふんだんに使用したメカアクションシーンはこの部屋で生み出されるのだ。
3DCG映像確認作業の模様
河森総監督と高橋正典監督が、真剣な面持ちで戦闘シーンのチェックを行っていた。
スタジオ内の和気あいあいとした雰囲気が伝わってくる予定確認表。
同部屋内にある、河森総監督の作業部屋の扉。(残念ながら、中は非公開でした!)
作業を行う編集の兼重涼子さん。
続いて案内されたのが編集ルーム。こちらでは、編集ソフト「AVID」を使用し、監督陣と共に作品の編集作業が行われる。
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■キャラクターたちが描かれる作画スタジオ
続いて案内していただいたのが、本社ビルの付近にあるサテライト制作スタジオ。
3DCGや編集作業を行う本社とは異なり、こちらは作画などの作業を行うスタジオとなっている。
先程CGの確認作業を行っていた高橋監督のデスクは、確認待ちのカットが山積みに!
演出からこれらのカットの確認まで、高橋監督の恐ろしい作業量がひと目でわかる。
キャラクターデザインを担当する嘉手苅睦さんのデスク。制作真っ只中な状況での多忙ぶりが伺える。
スタジオのあちこちに貼られているのはキャラクターたちの対比表。こちらを基準に、アニメーターたちが各カットの作画を行う。
作画用紙の位置合わせをする器具「タップ」を通すための穴を空けるタッピング機も置かれていた。昨今はデジタルで納品するアニメーターも多いものの、確認作業はアナログがメインなため、各原画・動画を印刷後、こちらで穴を開ける必要があるとのこと。
最後に、色彩設計の作業風景も見学させていただいた。
写真のように、ノーマルの色から夜の落ち込んだ色まで、こちらで色彩設計の秋元由紀さんが色を作っていく。アニメのビジュアルを作る中で、必要不可欠な工程だ。
3DCGのど派手なメカアクションと、作画の融合が魅力のサテライト作品だが、スタジオを取材してその緻密な工程を確認できる機会はなかなかない。
これらの工程を踏んで、『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』がどのような作品に仕上がっているのか……ぜひ読者のみなさんには劇場でその完成度を確認してほしい!
そして、忘れてはいけないのが5月31日から6月23日まで東京ドームシティ ギャラリーアーモにて開催される「河森正治EXPO」!
原作、監督、脚本、絵コンテ、メカデザインと、多岐に渡る活躍で斬新な作品を世に送り続けてきた河森正治のプロデビュー40周年を記念した本展示では、これまで携わった作品のデザイン画や絵コンテはもちろん、秘蔵アイデアノートまで、千数百点以上の河森氏にまつわる展示物が集結している。
『タガタメ』と共に、ぜひこちらにも足を運び、河森総監督の足跡を改めて目に焼き付けていただきたい。