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『インハンド』山下智久×濱田岳、心の通じ合ったバディに 磯村勇斗登場で物語は最終章へ

2019年06月08日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 山下智久が主演を務めるドラマ『インハンド』(TBS系)が6月7日放送の第9話より最終章に突入。紐倉哲(山下智久)と高家春馬(濱田岳)のコンビに磨きがかかっている。


救命救急の専門医から寄生虫学者である紐倉の助手へと転身する高家は、第2話にて彼の研究所に移り、さっそく荷物持ちや馬乗りと、とことんこき使われることとなる。寄生虫の実験体にされたり、時には人質にされたりと、高家は変わり者でドSな紐倉に振り回されてきたが、彼らの関係性に変化が訪れるのが、第5話。紐倉と元助手の入谷廻(松下優也)にまつわる過去が一気に明かされる回だ。


 入谷が紐倉に残した最後の言葉が、「紐倉哲の助手でよかった。哲、ありがとう」「いつか新しい助手を見つけてくれ」。その後、高家は入谷の遺品として残っていた島での集合写真にこっそり自身の写真を貼り付け、入谷の意思を受け継いでいた。


 公式サイトの相関図において、紐倉と高家の関係性は、「上から目線」「ムカつく!」とエクスクラメーション入りの感情で表されている。2人が出会った時と同じように、紐倉が高家を酷使する様子は一切変わらないものの、高家が自分から1人で行動しようとすると「えっ?」と紐倉が動揺し、あからさまに拗ねた態度を見せる。そんな紐倉に高家も気づき、チャチャを入れるといった流れは今までになかった変化だ。牧野巴(菜々緒)から「勝手なことしないでよ」と事件についてあからさまに振りを入れられた2人が「勝手なことするしかないだろ」と息を合わせる場面は、凸凹コンビが実は心の通じ合ったバディであることを示している。


 治療を放棄した罪で逮捕される黒野院長(正名僕蔵)から道連れにされそうになる高家を庇うため、紐倉は「バカでお人よしで、役立たずで中途半端で、迷惑ばかりかけてくるお節介野郎だ」といつも通り高家をバカにしながらも、医者の本分を一度も忘れたことはないと本心からの言葉を投げかける。「って言ったら」と高家のセリフを使い照れ隠しをする紐倉、その2人を笑顔で見つめる牧野という光景が、第9話目にして、見ていて心地よくなってきているのだから不思議だ。


 高家演じる濱田岳の芝居は、第1話から比べて徐々に目立ったものへと変化している。第6話ではあきらかに長い一人芝居を、第8話では“迷探偵タカイエ”と呼ばれる推理芝居も飛び出していた。第9話ではノリツッコミは通常運転に。母・良子(宮崎美子)に好きな落語を披露するという、濱田が出演していた朝ドラ『わろてんか』(NHK総合/2017年)を彷彿とさせる場面もある。そこに生まれ故郷・栃木の訛りも入っているのだから、なかなか癖が強い。決定的なのは病院に潜入する際、ノリノリな高家に紐倉が「お前キャラ変わってないか?」とツッコミを入れるシーン。濱田は『わろてんか』にて朝ドラとしては異例のアドリブを入れていたことで知られているが、『インハンド』においてもその片鱗が垣間見えることを期待したい。


 また、第9話より最終回へのキーパーソンとして福山和成(時任三郎)の息子・新太(磯村勇斗)が登場した。5年前にフューチャージーンのCEOになった父はすっかり変わってしまったこと、そして新太は「力にならせてもらえませんか?」と紐倉たちに手を差し伸べてくる。第10話では、高家の故郷・栃木県相羽村を舞台に、謎の感染症が発生。裏切り者の存在、紐倉と福山の師弟対決……と様々な思惑が交差する中で、新太がどのように絡んでくるのかが見所になっていきそうだ。(渡辺彰浩)