今、私たちがこうしている間にも世界ではさまざまなことが起きています。戦争、テロ、環境汚染、移民問題……。それらを鮮明に映し出した報道写真を展示する『世界報道写真展』が今年も開催! 世界中の約100会場で開かれ、年間約400万人が足を運ぶ最大級の写真展。カメラがとらえた“現実”。これらの写真から、どんなメッセージを受け取りますか?
■ジョン・ムーア(アメリカ、ゲッティイメージズ)
入賞者の中から、その年のもっともすぐれた作品に贈られる「世界報道写真大賞」に選ばれた1枚。メキシコとの国境沿いにあるアメリカ・テキサス州マッカレンで撮影されたもの。ホンジュラス(外務省のHPによると、人口あたりの殺人事件発生率が世界でもっとも高い国のひとつとされている)からやってきた親子。取り調べを受ける母親を目の前に、少女が泣き叫んでいる。
■ブレント・スタートン(南アフリカ、ゲッティイメージズ)
女性メンバーのみで構成された反密漁武装部隊『アカシンガ』。彼女たちはアフリカ・ジンバブエのフンドゥンドゥ野生動物公園で、動物を守るために勇敢に戦っている。
■クリス・マクグラス(オーストラリア、ゲッティイメージズ)
連日、ニュースで取り上げられたジャマル・カショギ記者の失踪事件。国際的な反発が高まる中、トルコの在イスタンブール・サウジアラビア総領事館にサウジ側の調査員が到着すると、報道陣で大混乱に。まるで映画のワンシーンのようだ。
■カタリナ・マーティン・チコ(フランス/スペイン、パノス)
コロンビア革命軍(FARC)による出産禁止後に妊娠した女性。この女性はこれまで軍に加わっていた間に5回堕胎。最後の妊娠時には、緩めの衣服を着て指揮官にバレないようにしていた。
■モハメド・バドラ(シリア、EPA通信)
シリア・東グータ地区のシフォニエ村が攻撃され、負傷した人々。治療を受ける人の中には子どもの姿も……。東グータへの攻撃には、毒ガスの使用が疑われている。
■マルコ・グアラジーニ(イタリア、コントラスト)
かつてイスラム過激派組織『ボコ・ハラム』に誘拐された女性。過激主義者と結婚させられ子どもをもうけたが、その後、なんとか逃げ出したという。
■ヤスパー・ドゥースト(オランダ)
キリン? いいえ、これは足に重度の障害を負ったベニイロフラミンゴ。急いで作られた治療用の靴下をはき、自身の足元を確認している。
■ピーター・テン・ホーペン(オランダ/スウェーデン、アジャンス・ヴュ/シビリアン・アクト)
今年から新設された『世界報道写真ストーリー大賞』に選出。メキシコ南部のタパナテペク郊外で、移民を乗せるために停車したトラック。多くの人々が懸命に駆け寄る姿が衝撃的だ。
世界報道写真展2019
6月8日(土)~8月4日(日)
東京都写真美術館地下1階展示室にて
開館時間や観覧料など、詳細についてはHPまで