6月7日~9日に、スーパーバイク世界選手権(SBK)の第6戦ヘレスがスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで開催される。モリワキ-アルティア・ホンダ・チームは代役にSBK初参戦となる高橋裕紀を起用。また、参戦を一時休止していたテンケイト・レーシングがSBKに復帰する。
この大会では、モリワキ-アルティア・ホンダ・チームからフル参戦しているレオン・キャミアが負傷を理由に欠場。キャミアは、第5戦イモラの予選スーパーポールで転倒を喫し、左肩を負傷。レース1以降を欠場することとなった。負傷した左肩は順調に回復しているようだが、完治にはまだ時間が必要だという。
チームは代役に、第5戦イモラ後に行われたミサノテストに続き、全日本ロードレース選手権に参戦しているKYB MORIWAKI RACINGの高橋を起用することを決めた。
SBK初参戦となる高橋だが、2005年からロードレース世界選手権の250ccクラスに参戦し、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでレースを経験している。2009年にはMotoGPクラスにステップアップし、2010年から2013年までMoto2クラスに参戦した。
ヘレスでのベストリザルトは2008年に250ccクラスで獲得した3位で、最後に走行したのは2013年にMoto2クラスに参戦していた時となる。
高橋は「まず、レオンの怪我は非常に残念ですが、早く回復することを願っています。また、ヘレスでレースする機会を与えてくれたモリワキ-アルティア・ホンダ・チームに感謝しています。僕は過去に何度かヘレスでレースをしてきました。しかし最後に走ったのが2013年なので、簡単ではありません」とコメント。
「そうは言っても、僕はこのトラックが好きだし、チームに有益なフィードバックを提供できるようにしようと思っています。ベストを尽くし、間違いなくこの経験を楽しみます」
また、SBKの参戦を一時休止していた名門チームであるテンケイト・レーシングが、ロリス・バズを起用し今大会から復帰する。ホンダのマシンを長年使い、SBKで通算42勝を飾っているが、ヤマハYZF-R1にスイッチすることとなった。
ライダーのバズは、2015~2017年の3シーズンMotoGPに参戦していたフランス人ライダーだ。SBKにも参戦経験はあり、2012~2014年はカワサキ、2018年はBMWを駆り、2度の優勝を含む14度の表彰台にのぼった経験を持っている。
そして注目なのが、ドゥカティ・パニガーレV4 Rを駆るアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)とカワサキNinja ZX-10RRを駆るジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)の優勝争いだ。
昨年までMotoGPに参戦しSBKルーキーのバウティスタは、開幕戦オーストラリアから第4戦オランダまで11連勝を記録。2018年にレイが記録した歴代1位の連勝記録に早くも並んで見せた。
しかし、第5戦イモラの舞台であるイモラ・サーキットはMotoGPは開催しておらず、初走行となった。結果マシンを合わせきれずレイにトップを譲る形となった。SBK4連覇を達成しているレイは王者の貫禄を見せ、イモラで独走態勢を築き2連勝を飾った。
第6戦ヘレスは、モリワキが清成龍一と高橋の日本人コンビで戦い、テンケイト・レーシングからはロリス・バズも参戦する。また、優勝争いも目が離せない争いになりそうだ。8、9日(土日)に開催される決勝レース1、2ともに日本時間21時、スーパーポール・レースは9日の18時からスタートする。