F1カナダGPの主催者であるフランソワ・デュモンティエは、ジル・ビルヌーブ・サーキットに完成した新しいピット複合施設について、ケベックの過酷な冬の気候下で作業が遅れつつも、10カ月の建設期間を経てグランプリ開催に、ぎりぎりで間に合わせることができたと語った。
老朽化した設備の改修を迫られていたジル・ビルヌーブ・サーキットは、昨年モントリオール市とケベック州政府から6000万カナダドル(約48億7400万円)の予算を調達したことで、必要とされる工事に着手することができた。
しかしデュモンティエは、今週末行なわれるF1世界選手権第7戦に新しいピットビルの完成を間に合わせることは至難の業だったと認めた。
「本当に厳しい挑戦だった。これほどの施設を10カ月で、しかも当地の冬の気候を乗り越えて完成させられたのは、ほとんど奇跡と言えるだろう」とデュモンティエは語った。
「しかもこの冬の天候は、我々ですら厳しいと感じるほどだった。それでもやり遂げることができた。素晴らしい挑戦だったし、完成した施設は心から誇れるものだと思う」
「すべての関係者が、やり遂げるという強い意志を持っていた。新しい施設を作ることの重要性は誰もが理解していたが、それは各チームに優れた設備を提供し、ゲストをもてなすためという現実的な理由からだけではなく、チャンピオンシップにおけるモントリオールのイメージを世界中に知ってほしいと考えていたからだ」
「新しい施設がテレビで世界中に放送されるのが待ちきれない。これはモントリオールの素晴らしいショーウィンドウの役割を果たすだろう」
大規模な改修工事にコースレイアウトの変更は含まれなかったものの、ピットレーンの幅が少々狭められるという、若干の変更が施された。
「コースレイアウトを変えないことは我々にとって非常に重要だった。レイアウトを変更しない範囲で作業を行なってきた」とデュモンティエ。
「ビルはわずか30フィート(約9.1m)長くなっただけだが、幅はかなり広げている」
「FIAの承認を得たうえで、ピットレーンを10フィート(約3.0m)狭めざるを得なかった。そして建物のガレージ後ろ側を、ボート係留地の方向に35フィート(約10.7m)拡幅した」
デュモンティエは、ジル・ビルヌーブ・サーキットの目玉イベントはこれからもカナダGPであり続けるが、新しいピットビルは他のイベントにも貸し出されるとして以下のように述べた。
「ビルの主なユーザーはF1になるが、それ意外の期間は、複合施設内のスペースが他の各種イベントにも貸し出される予定だ」
「メディアセンターは多機能スペースとしても利用可能だ。また、すでにこのビルを使用する数多くのイベントが企画されていると承知している」