6月6日、WEC世界耐久選手権/ル・マン24時間を統括するACOフランス西部自動車は、水素燃料ベンチャー企業のグリーンGTと共同開発しているプロトタイプマシン『LMPH2G』を、15日のル・マン24時間スタート直前にサルト・サーキットで走らせると発表した。
ACOとグリーンGTは2018年9月、“ミッションH24”と呼ばれるプロジェクトの発足をアナウンス。このミッションは水素燃料電池を内燃機関に代わる次世代パワートレインと位置づけ、2024年から燃料電池車(FCV)をル・マン24時間に参加させるというものだ。
両者はプロジェクトの発足とあわせて、共同開発中の水素燃料電池プロトタイプカー『グリーンGT LMPH2G』をお披露目すると、その会場となったスパ・フランコルシャンでデモランも実施。また、2019年2月には同計画を推し進めるべく、H24レーシングという共同レーシングチームを起こしている。
そんなプロジェクトの要ともいえるFCプロト『LMPH2G』は、前述のスパ・フランコルシャンをはじめ、エストリル、ブガッティ・サーキットでテスト走行やデモランを実施しているが、いずれも一般大衆に向けたお披露目ではなかった。しかし、今回決定したデモンストレーションラップは、史上最多62台が出走する第87回ル・マン24時間の決勝レーススタート直前に行われるとあり、同車にとってはこれが事実上のワールドプレミアの機会となる。
テストデーが行われた2日にも全長13.626kmのサルト・サーキットを数周をラップしているLMPH2Gのデモランは決勝スタートの17分前、15日(土)14時42分から開始される予定だ。