TOYOTA GAZOO Racing WRTからシトロエン・レーシングへ移籍し、2019年のWRC世界ラリー選手権を戦っているエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)は、ここまで7戦のうち3戦でリタイアしている現状を受け、「プレッシャーが高まっている」と心境を明かした。
トヨタからWRC最上位デビューを果たしたラッピは、この2019年シーズンからシトロエンへ移籍。“絶対王者”として君臨しているセバスチャン・オジエのチームメイトとしてシリーズを戦っている。
しかし、シリーズ前半7戦を終えての成績は奮っておらず、表彰台フィニッシュは第2戦スウェーデンの1回のみ。ポイント圏内でのフィニッシュは第2戦も含めて3回のみで、第1戦、第5戦アルゼンチン、第7戦ポルトガルではリタイアしている。
特に5月31~6月2日に行われたラリー・ポルトガルでは、総合5番手で最終日に臨んだが、最終日オープニングとなるSS16で横転してマシンを破損。その後のステージでサスペンショントラブルからリタイアを余儀なくされた。
この結果を受け、ラッピはWRC公式サイトの『WRC.com』に対し、「僕へのプレッシャーは高まりつつある」と述べている。
「(今シーズン)、チームに好成績をもたらせなかったのは今回が初めてではない。だから重圧を感じているんだ。これまでのところ1日はパフォーマンスを発揮できているけど、この走りを3日間維持し続ける必要があるんだ」
「僕がどれだけスピードを発揮しても慰めにはならない。速くても愚かでは意味がない。今必要なのは、マシンへの理解度を深め、セットアップを煮詰めることだ。そうすれば次のラリー・イタリア・サルディニアで前進できると思う」
チームの指揮を執るピエール・ブダール代表も、ラッピの速さは認めつつ、安定性向上が必要だとしている。
「ラリー・ポルトガルではエサペッカ(ラッピ)の速さは確認できた。2番手走者だった競技2日目も強力な速さと信頼性を発揮していた。彼にとって素晴らしい1日だったし、マシンの感触にも納得していたはずだ」とブダール。
「だから、(最終日に)彼がミスしてしまったことは悔やまれるね。本当に残念だった。このリザルトはエサペッカに学ぶべきことが多いことの証でもある。彼には1日だけでなく、3日や4日、ラリー全体で集中力を維持する術を教えなくてはならない」
「1日だけなら、彼は素晴らしい走りができるんだが、今はそれだけだ。彼には大会全体をとおしてパフォーマンスを発揮してもらわなくてはならない」
「エサペッカが速いドライバーであることはわかっているし、マシンのポテンシャルも把握している。だから、これ(集中力の維持)が彼に教えるべき最後の要素だ」